マムシグサは名前の通り恐ろしい植物だった!

マムシグサ

マムシグサ

マムシグサはサトイモ科の多年草ですが、毒蛇が襲いかかってくるような恐ろしい姿をしています。サトイモ科の植物からは、優しそうなイメージが湧きますが、マムシグサは名前の通り恐ろしい植物でした。この記事では、マムシグサの恐ろしい面と変わった特徴を紹介しています。

▼目次

  1. マムシグサの恐ろしい姿
  2.  仏炎苞(ぶつえんほう)
  3. マムシグサの受粉方法と恐ろしい構造
  4.  マムシグサの構造
  5.   オバナの構造
  6.   メバナの構造
  7. マムシグサの恐ろしい毒
  8. マムシグサの変わった特徴
  9. ポイントのまとめ

マムシグサの恐ろしい姿

マムシグサという植物は、全国の里山や薄暗い林の中でみることができます。まるで毒蛇が鎌首をもたげて今にも襲いかかるような姿形をしているため、マムシグサと名付けられたのでしょう。ただし、学問的には、サトイモ科の植物で、多年草です。

サトイモ科の植物の花には、仏様の台座の後光にあるような「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれるものが後方に付いています。

 仏炎苞(ぶつえんほう)

仏炎苞(ぶつえんほう)とは、「肉穂花序(にくすいかじょ)」という小さな花が密集した花軸の後ろを囲むようにして花を保護する、苞(ほう)のことです。(ミズバショウの花を思い浮かべると判りやすいと思います。)

マムシグサの花には仏さまに関連する名称が付けられていますが、実は、マムシグサの名前のように恐ろしい面もありました。

マムシグサの受粉方法と恐ろしい構造

毒草とも言われるマムシグサ

毒草とも言われるマムシグサ

マムシグサは、オバナを持っている雄株と、メバナを持っている雌株が、それぞれ独立している植物です。そして、受粉にはハエが寄与しています。

但し、メバナには出口がないため、受粉に貢献したハエも、マムシグサの中で死んでしまいます。

 マムシグサの構造

マムシグサは、毒蛇の鎌首のような形をした仏炎苞(ぶつえんほう)が雨除けの屋根の役目をしていて、ハエが中に入ると光をさえぎる天井の役目もしています。

さらに、マムシグサは、ハエを呼び込むために腐った肉のにおいを出して花の中に招きいれます。一度中に入ると、内側はすべりやすいため、ハエは逆戻りできないようになっています。

つまり、マムシグサのメバナに入ったハエは、二度と外に出られなくなって死んでしまいます。実は、オバナとメバナの構造は、受粉しやすくするため、少し違っています。

  オバナの構造

オバナには、仏炎苞(ぶつえんほう)の付け根(葉が合わさった場所)の一部に小さな隙間があります。ハエは逆戻りできませんが、ここから脱出することができるようになっていて、脱出に成功したハエは、花粉まみれになって、メバナの所に飛んでいきます。

  メバナの構造

メバナには、オバナのような隙間はないため、腐った肉の匂いに誘われて花に入ったハエは、受粉に貢献しても、花の中から外に出ることは出来ません。

マムシグサは、食中植物ではないため、ハエを食べません。それなら、受粉が済んだら逃がしてあげればと思いますが、将来、根からの栄養が十分に摂れないようになった時の進化の過程なのかもしれません(?)。

マムシグサの恐ろしい毒

マムシグサは、サトイモ科の植物のため、食べられそうですが、シュウ酸カルシウムの針状結晶が含まれています。そのため、食べると口内や喉まで激しい痛みに襲われます。酷くなると、心臓麻痺などで死に至ることもあります。

熱を加えて食べた人もいたようですが、暫く話も出来なくなるほど酷い目にあったようです。

マムシグサの変わった特徴

マムシグサは、オバナとメバナが分かれている「雌雄異株(しゆういしゅ)」ですが、栄養の状態で雌雄を決められる性転換植物です。

マムシグサは、成長してから数年後に雄花をつけます。その後、さらに数年間十分に栄養を蓄積すると、オバナをやめてメバナをつけることができるようになります。

メバナをつけるようになっても栄養が不足すると、オバナに変わります。

ポイントのまとめ

マムシグサは、全国の里山や薄暗い林の中でみることができるサトイモ科の植物ですが、姿形は、毒蛇が鎌首をもたげて今にも襲いかかるように見えます。

マムシグサは、恐ろしく見えるだけでなく受粉をしてくれるハエを、花の中から脱出できないようにしてしまう構造も持っています。

それだけではなく、シュウ酸カルシウムの針状結晶を持っていて、食べると酷い目にあうことも知られている恐ろしい植物でした。