6ヶ月以上も飛び続けるツバメたちの記録はどうやって取ったの?

アマツバメ

アマツバメ

シロハラアマツバメは、200日間以上も飛び続けることが確認されました。そればかりか、ヨーロッパアマツバメは、10ヶ月も飛び続けることが実証されています。これ程、長期間に亘るデータはどのようにして取られたのでしょうか?

▼目次

  1. 長期間飛び続ける鳥の記録
  2. シロハラアマツバメとはどんな鳥なの?
  3. ・風切羽の割合を増やした腕の構造
  4. ・シロハラアマツバメの地上活動には不向きな体形
  5. シロハラアマツバメの飛行記録の取得方法
  6. ・GPSデータロガー装置
  7. ポイントのまとめ

長期間飛び続ける鳥の記録

鳥の記録にはさまざまなものがあります。特に、200日間も飛び続けるというツバメには驚かされました。このツバメは、シロハラアマツバメという種で、200日間も一度も降り立たないで飛び続けたデータがあります。

2013年に有名な科学誌に掲載されたもので、ヨーロッパ(スイス)とアフリカ西部(越冬地)を行き来する「シロハラアマツバメ」という鳥(3羽)から得られています。

シロハラアマツバメとはどんな鳥なの?

シロハラアマツバメは、アマツバメ科、アマツバメ属の鳥で、10亜種に分かれています。体長は、20〜23㎝の小さな鳥ですが、飛ぶためだけに作られたような体をしています。

シロハラアマツバメの繁殖地は、ヨーロッパの南部地域、アフリカから中東地域、インドの西部地域などですが、ヨーロッパや中東にいる個体は、冬季になると越冬のためアフリカ中部から南部地域に渡ります。

私は、写真を見ただけですが、鎌の刃のような長い翼を広げて、眩しく見えるほどの白い腹部を見せつける姿は、本当に飛ぶために生まれてきた鳥だと思わせられます。

・風切羽の割合を増やした腕の構造

鳥の風切羽は、人の腕の部分に付いています。人の腕は、肘(ひじ)から肩の上腕骨に多くの筋肉が付いていますが、鳥の風切羽は、肘から手先の部分にあります。

空を飛ぶために特化したシロハラアマツバメは、上腕骨を極端に短くして、飛行に必要な風切羽(かざきりばね)の割合を大きくしています。

・シロハラアマツバメの地上活動には不向きな体形

アマツバメたち

アマツバメたち

シロハラアマツバメの脚は短く、折りたたんだ羽も長いため、地上では羽を引きずるようにして歩くことになるでしょう。

アマツバメの仲間は、地面や木の枝に降り立つには不自由な体形ですが、脚指の形は断崖にしがみつきやすくなっています。断崖で垂直に止まるのなら、長い羽も邪魔になりませんね。

シロハラアマツバメは、飛ぶことに特化した体形ですから200日間も飛んでいられるのでしょう。でも、200日間も一度も陸上や水面などに降りないで、飛び続けるというのは、6ヶ月以上になります。

想像を超える程の長さですが、恐らく食事や睡眠も空中で済ませ、疲労も飛びながら解消しているのでしょう。

シロハラアマツバメの飛行記録の取得方法

調査は、スイスの鳥学会で渡り鳥を研究している、Felix Liechti氏、Willem Witvliet氏、Erich Bächler氏と、ベルン大学(スイス)応用科学・情報工学のRoger Weber氏たちによって、7ヶ月以上の期間のデータを解析で行われました。

データ取得は、シロハラアマツバメにGPSデータロガーという装置を装着して、得たものです。

・GPSデータロガー装置

GPSデータロガーという装置は、鳥がいる場所と、「羽ばたいている」「滑空している」などの生態活動レベルも測定できます。

GPSデータロガーは、地球の周りを周回しているさまざまな人工衛星から電波を受信して、鳥の位置を測定しているため位置精度は高いですが、発信機がないため、データ取集には手間がかかります。(鳥を回収した後に研究者が解析しなければなりません)

ポイントのまとめ

シロハラアマツバメは、半年以上も飛び続けるとは信じられないデータですが、海の生物には泳ぎ続けるものもいます。泳ぎ続けることで知られているシロイルカが、眠る時には片目を閉じて半球睡眠をするそうです。

海の中は浮力も大きいので納得しやすいですが、半年以上も空中を飛び続ける鳥がいるとは、本当に不思議です。ところが、シロハラアマツバメの研究結果が報告された直ぐ後には、10ヶ月間も飛び続けたヨーロッパアマツバメの研究結果が報告されました。

ヨーロッパアマツバメは、子育ての巣材を集めるのも空中で行うことが、実証されています。空中で生活することの多い、シロハラアマツバメやヨーロッパアマツバメの生態をもっと知りたいですね。GPSデータロガー装置の進化に期待しましょう。