白鳥などの水鳥が片脚立ちで、氷上で休んでいても凍えない理由

雪上の白鳥

雪上の白鳥

極寒の寒い日に、水鳥たちが片脚立ちで、うずくまるように頭部を背中の羽毛に沈めている光景を目にすることがありますが、水鳥たちは、特別な熱交換システムを持っていて寒い冬をのりきっていました。この記事では、分かりやすく、仕組みを紹介しています。

▼目次

  1. 真冬の湖
  2. 水鳥たちの最適な熱交換システム
  3. ・冷気に耐えられる水鳥の脚の構造
  4. ポイントのまとめ

真冬の湖

寒い冬の季節に、沼や、湖、川などを訪れると寒い北風に吹かれながら水鳥たちが片脚立ちで、うずくまるように頭部を背中の羽毛に沈めている光景を目にすることがあります。
恐らく、水鳥にとっても寒いのでしょう。それなら、水の中ではなく地上に居れば良いと思いますが、天敵に襲われる危険があるためやむを得ない行動なのでしょう。

嘴とまぶたは皮膚が露出しています。背中の羽毛に首を突っ込む姿勢は、皮膚の露出部が全て羽毛に覆われて体温の発散が抑えられます。寒さから露出部羽毛内に隠すのは、体温の発散を防ぐための当然の行動です。
しかし、脚はむきだしです。ハクチョウは短い脚ですが、むきだしです。これでは、脚からどんどん熱が放出してしまい、体温は低温化してしまうのではないでしょうか?

などと考えてしまいますが、冷たい水に沈めた片脚は、凍り付かないのでしょうか?

水鳥たちの最適な熱交換システム

脚が凍傷してしまうのではないかと心配しましたが、水鳥たちの脚の付け根の部分にある血管には、寒さに耐える驚くべき仕組みがありました。

・冷気に耐えられる水鳥の脚の構造

雪上の水鳥たち

雪上の水鳥たち

水鳥の脚の付け根の部分の動脈と静脈には、特殊な仕掛けがありました、動脈のまわりに静脈が網のようにとりまく構造をしていますが、動脈も枝分かれしていて網のようになっています。
水鳥の脚の付け根部に見られる動脈と静脈が絡みあう構造は、寒さに耐える仕組みでした。
動脈には、暖かい血液が心臓から送られてきますが、脚の付け根部は、暖かい動脈とからみあうようにして冷たい静脈があります。
脚の先に向かって流れる暖かい血液を送り込む動脈は、脚の付け根部でからみあった冷たい静脈に熱を奪われてしまいます。動脈と静脈が絡み合っているため、ここで熱交換されてしまい、暖かかった動脈内の血液は冷たくなって脚先に送られます。
脚先で、さらに冷たい外気にさらされて冷却の進んだ静脈内の血液は、脚の付け根の部分(動脈と静脈がからみあっている部分)で暖かい動脈血に温められて体内に戻っていくことになります。
この熱交換システムでは、常に脚先の温度は低くても、体の中は冷えることなく暖かく保たれています。ハクチョウ等の水鳥たちは、このような熱交換システムを脚の付け根部に持っているので、極寒の氷の上でも平気なのでしょう。

ポイントのまとめ

寒い冬の季節には、沼や、湖、川などで、寒い北風に吹かれながら水鳥たちが片脚立ちで、うずくまるように頭部を背中の羽毛に沈めている光景を目にします。

少しでも皮膚を直接外気にさらさないための水鳥たちの工夫でしょうが、羽毛のない脚先は心配になりますが、水鳥たちの脚の付け根部は、暖かい血液が流れる動脈と、冷たい静脈が絡み合うような特別な構造をしていて熱交換システムの役目をしていました。

この熱交換システムは、体の中心部には常に暖かい血液が流れる機構になっていて、極寒の冬の季節にも耐えられるように作られていました。