昆虫の優れた環境適応能力の秘密|常識では考えられない手法

雪道

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昆虫類は深海を除いた地球上のあらゆる場所で生息しています。環境への適応能力が優れているからです。この記事では、極寒地や乾燥地域に棲んでいる昆虫たちが、どんな方法で生き延びているのかを紹介して、優れた環境適応能力の秘密の一端に触れています。

▼目次

  1. 地球の生物界の85%を占める昆虫
  2. ・休眠
  3. ・耐寒性の進化
  4. ・耐乾燥性の進化
  5. ・・ネムリユスリカが乾燥に耐える方法
  6. ポイントのまとめ

地球の生物界の85%を占める昆虫

地球を制覇していた大型の恐竜や爬虫類、哺乳類が地球環境の変化に適応できないで絶滅していく中でも、4億年もの間、命を繋いで生きてきた昆虫たちは、水中(海中)を除いた様々な環境下で生息しています。

現在、昆虫たちは地球の生物種の中で、85%を占めています。さまざまな地域に進出する能力や、変化する地球環境の中で、昆虫たちの適応能力は優れていると言わざるをえません。

昆虫たちの環境適応能力を知るために、人体では耐えられないような極寒地域や乾燥地域に棲息している昆虫たちを調べてみました。

 

・休眠

昆虫たちは、休眠するという方法で、厳しい環境をのりきっていました。

休眠すると代謝活動は低下して行動は鈍くなりますが、極端な寒さなどに対して抵抗できるようになります。休眠は、進化の過程で勝ち取った能力のため、全ての生物ができる訳ではありませんが、「休眠」は、活動に適した季節が来るまでエネルギーを温存する手助けをしていました。

 

・耐寒性の進化

昆虫は、熱帯地方で誕生したため、寒い高緯度地帯に進出するには、「休眠」だけでは足りません。耐寒性も進化させる必要がありました。

昆虫の耐寒性には、地域の気候に応じて、一部凍結しても耐えられる程度の耐凍型と、凍結には耐えられない非凍結型の2つのタイプがあります。非凍結型というのは、体液が凍ってしまうほどの寒冷地では生息できない昆虫のため、ここでは割愛します。

 

《耐凍型の昆虫》
耐凍型の昆虫は、耐凍性の能力を高めるため、グリセロールやトレハロース等の不凍化物質を生成して、体液として蓄積します。
寒くなると昆虫の細胞内にある水と、体内に蓄積した凍結保護物質は入れ替わって凍結保護物質で充満されます。こんなことは普通では考えられませんが、寒冷地域に棲む昆虫の体内では実際に起こっています。

寒冷地域に棲(す)む休眠昆虫は、秋になって低温にさらされると不凍化物質を体に溜めはじめますが、休眠しない昆虫の体内では、気温が低くなっても、不凍化物質を蓄積しません。昆虫は、生息環境に応じた必要最低限の機能だけを持つのでしょう。

 

・耐乾燥性の進化

乾燥地帯

乾燥地帯

体の小さな昆虫は、水分蒸発が激しくなります(体の大きさに比べて、体の表面積が大きいためです)。
体からの水分蒸発を少なくするため、一般的な昆虫は体表をワックスで覆うなどの方法で対応していますが、極端な乾燥地帯に棲息(せいそく)する昆虫は、特別の環境で生き延びるために特殊な能力を持っています。

 

・・ネムリユスリカが乾燥に耐える方法

ネムリユスリカは、アフリカのナイジェリアの半乾燥地帯で生息している昆虫です。この昆虫は、岩のくぼみなどの水たまりに産卵しますが、この地域の降雨は不定期で雨が降らない時には、水たまりは完全に干上がります。

普通の生物なら、卵から孵化(ふか)した幼虫は、直ぐに死んでしまいますが、このユスリカの幼虫は、無代謝状態になって半永久的な休眠に入ります。

 

ユスリカの幼虫の体は、水分が抜けてカラカラに乾燥していますが、雨が降ると体が膨らんで発育を始めます。乾燥状態が10年も続いても水を与えると復活できると言われています。

ネムリユスリカの幼虫は、体が乾燥すると「トレハロース」という糖の一種を爆発的に合成して、休眠状態に入ります。「トレハロース」の特性が、乾燥状態で休眠している体を維持しているのでしょう。
尚、地球上の殆どの環境(含む、深海)で生息している「クマムシ」類も、ユスリカの幼虫が持っているのと同じ方法で、乾燥状態で長期間休眠しています。

ポイントのまとめ

大型の恐竜や爬虫類、哺乳類が地球環境の変化に適応できないで絶滅していく中で、4億年もの間、小さい体の昆虫たちは、水中(海中)を除いた様々な環境下で生息してきました。

現在、地球の生物種の中で昆虫は、85%も占めると言われています。

そんな昆虫たちの環境適応能力の秘密の一端を知るために、どのようにして極寒地域や乾燥地域に棲息しているのかを調べてみました。

耐寒性は、体液を凍結しにくくするため、体内の水分をグリセロールやトレハロース等の不凍化物質と入れ替えることで対応していました。その上で、代謝活動を低下させる「休眠」をして活動に適した時期を待つという戦略で対応していました。

極端に乾燥する地域では、「トレハロース」という糖の一種を爆発的に合成して、休眠状態に入ることで休眠状態の体を維持していました。

昆虫たちは耐寒性や耐乾燥性を得るために、グリセロールやトレハロースを使っていることには驚かされました。まだまだ生き物には不思議がいっぱいです。