昆虫が脱皮をする理由|脱皮をする時の昆虫のリスク

セミの脱皮

セミの脱皮

昆虫は、定期的に脱皮を繰り返して成長します。この記事では、昆虫が脱皮をする理由と、脱皮をする時のリスクを分かりやすくまとめて紹介しています。進化の過程で、昆虫が大型化しなかった理由も、うなずけることでしょう。

▼目次

  1. 昆虫が脱皮をする理由
  2. 脱皮をする時の昆虫のリスク
  3. ・体の大きいカマキリの脱皮
  4. ・脱皮を難しくする昆虫の呼吸器官
  5. ポイントのまとめ

昆虫が脱皮をする理由

昆虫に触れると、小さい体の割には、硬いと感じます。

昆虫は、外骨格(がいこっかく)で、体を覆(おお)っているため、硬いのです。外骨格は、体を支えています。

この外骨格(がいこっかく)は、表皮から出る分泌物が固まった「クチクラ」というものでできていますが、固まってしまうと、伸縮しないため、昆虫の成長の妨げになります。

そのため、昆虫は成長する時には、体の皮(外骨格)を脱がなければなりません。これが、脱皮です。

つまり、昆虫が脱皮をするのは、成長するために必須の行為で、古い外骨格を、新しいものに取り換えていたのです。

脱皮をする時の昆虫のリスク

セミの脱皮した抜け殻

セミの脱皮した抜け殻

外骨格(がいこっかく)は、昆虫には無くてはならないロボットスーツのようなものですが、サイズを変えることができないため、成長時には脱皮は欠かせません。

脱皮をした直後の外骨格(がいこっかく)は、柔らかくて体を支えられないし、外敵から身を守る鎧(よろい)の役目もしないため、身動きできません。

そのため、脱皮中や脱皮直後の昆虫は無防備状態です。

次に、「体の大きいカマキリの脱皮」と「脱皮を難しくする昆虫の呼吸器官」を紹介します。これらを見れば、昆虫にとって、脱皮が如何に大変な行為なのかが分るでしょう。

・体の大きいカマキリの脱皮

カマキリのように体が大きいと、脱皮直後の柔らかい外骨格(がいこっかく)では、体重を支えられません。

カマキリは、この問題に対処するため、木の枝や草の茎などにぶら下がって脱皮します。

もしも、外骨格(がいこっかく)が固まる前に、落下してしまうと体重で体が変形してしまいます。カマキリの脱皮は、行為そのものが命がけでした。

・脱皮を難しくする昆虫の呼吸器官

昆虫には肺がないため、腹部にある「気門(きもん)」という穴から酸素を血液に取り入れています。

「気門(きもん)」の穴は、細い管が枝分かれしながら、体の各部に入り込んでいます。これらの穴の表面もクチクラで作られているため、脱皮の時には新しいものと交換しなければなりません。

体が大きくなると呼吸器官も長くなるため、増々脱皮は難しくなります。多くの昆虫が小型ですが、これは脱皮による制限なのかもしれません。

ポイントのまとめ

昆虫は、体を支えるために硬い外骨格で覆われています。そのため成長するたびに、古い外骨格を脱ぎ捨てて、新しい外骨格にしなければならないのです。これが脱皮をしなければならない理由です。

脱皮をする時の新しい外骨格は、柔らかくて鎧の役目をしません。そのため外骨格が固まるまでは、無防備状態になります。

また、ちょっと複雑な気門と呼ばれる昆虫の呼吸器官(穴の表面)も外骨格の一部です。そのため、脱皮も容易にはできません。

太古の地球では現在よりも高濃度の酸素量でした。現在、小さな昆虫が多い理由は酸素供給量が少ないため、小型化したという説もありますが、気門のような複雑な器官を脱皮しなければならないために、進化の過程でリスクの増える体の大型化を止めたのだと考えています。

昆虫の体が小さければ、脱皮をする時のリスクも少なくなります。