地球上の全生物は、170万種ですが、昆虫だけで100万種もいます。4億年間も地球上で繁栄していたので当然ですが、多様性に富んでいます。これ程、種類の多い昆虫を分類するのは大変ですが、研究者の努力で、体形的に分類できるようになってきました。
昆虫は、地球上で最も多様性に富んでいる生物
昆虫は、よく知られているものだけで100万種いて、未発見のものまで入れると500万種ともいわれています。それはともかく、地球上の生物は、170万種程ですから、地球は「昆虫の惑星」といっても過言ではないでしょう。
また、昆虫の歴史は、人間の歴史とは比べものになりません。仮に人が出現したのを200万年前とすると、昆虫は、その200倍にもなります。つまり、昆虫は4億年もの間、地球上で繁栄していたのです。
これらの昆虫を分類するのは途方もなく大変な作業でしょうが、多くの研究者たちの努力で、現在は体形的に分類できるようになっています。
生物分類の基礎
現在の生物分類の基礎は、スウェーデンのカール・フォン・リンネ氏(1707-1778年)によって1735年に作られたものです。このリンネ氏は、生物を「界(かい)・鋼(こう)・目(もく)・属(ぞく)・種(しゅ)・変種」に分けて配列しています。
・モンシロチョウを分類した場合
例えば昆虫の一種のモンシロチョウの場合は、「動物界・昆虫鋼・鱗翅目・アゲハチョウ属」に分類されます。
モンシロチョウの例のように、この分類方法に従えば分類できそうです。ただし、実際に昆虫を分類するのは大変です。
簡単ではない昆虫の分類
次の昆虫の分類を見れば、簡単ではないことが直ぐに判ります。
「鋼」は翅(はね)を持っていないもの「無翅昆虫亜鋼(むしこんちゅうあこう)」と、持っているもの「有翅昆虫亜鋼(ゆうしこんちゅうあこう)」に分けられています。
さらに、「有翅昆虫亜鋼」の中に、「旧翅群(きゅうしぐん)」と「新翅群(しんしぐん)」の分類があります。
「新翅群」の中は、「多翅群(たしぐん)」、「準新翅群(じゅんしんしぐん)」、「貧翅群(ひんしぐん)」に分類されています。
既に、以上を読んだだけでも訳が分からなくなりそうですが、さらに「旧翅群」の内容が続きます。
「旧翅群」としての飛翔の先駆者の特徴を残しているものは、トンボやカゲロウです。旧翅群の昆虫は、翅を飛ぶためだけに使っていましたが、「新翅群」の昆虫は、翅をたたんで背中を覆うことで、体の保護の役目もしていました。
又、「新翅群」の昆虫は、翅を背中にしまい込むことで狭い場所にも潜り込めるようになって、新たな環境への進出を果たしています。
さらに、内容は続いて、画期的に昆虫の多様性を拡大させたのは、さなぎのあいだに体の構造を作り変えてしまう「完全変態」という成長システムです。
「完全変態」のグループに属する現生の昆虫は、およそ80%が「貧翅群」に分類されています。
という具合に分類は続きます。
もうお分かり頂けたことでしょうが、昆虫の分類結果を見るだけでも、大変な作業ということが実感できるでしょう。
ポイントのまとめ
昆虫は、よく知られているものだけで100万種もいます。地球上の全生物は、170万種程ですから、地球は「昆虫の惑星」と言っても良い程、多様性に富んでいます。
また、昆虫は4億年もの間、地球上で繁栄していました。
本記事で紹介したように、昆虫を分類するのは途方もなく大変な作業ですが、多くの研究者たちの努力で、現在は体形だったものに分類することができるようになってきました。