ウズラは、走りが得意です。まさか海を飛んでやって来る渡り鳥とは知りませんでした。この記事では、そんなウズラに興味を惹かれ、さまざまな意外な事実(絶滅危惧種、短命のメス、卵のまだら模様は母鳥で類似しているなど)をまとめて紹介しています。
ウズラは渡り鳥だった!
ウズラ(鶉)は、20㎝程の褐色をした丸い形の鳥です。
森や林、畑などを歩いていると、いきなり茂みの中から数羽が走り出てきて、低空で一目散に逃げていくウズラに出会ったことはありますが、大空を飛んでいる姿は見たことがありません。
そのため、ウズラが海を越えてやってくる渡り鳥とは知りませんでした。そんなウズラについて紹介します。
ウズラってどんな鳥なの?
ウズラは、キジ目・キジ科・ウズラ属に分類されています。ウズラの繁殖地は、モンゴル東部や、シベリア南部、中華人民共和国の東部、および朝鮮半島などです。(ウズラは、キジ科の中で唯一渡りをする鳥でした)
日本には冬の寒さをしのぐために飛来します。但し、日本でも夏場に中部以北や、北海道などで繁殖して、冬は、関東より西の地域で越冬するものもいます。また、関東や近畿地方で留鳥として生活しているものもいます。
日本では見ることができませんが、繁殖期の雄は、顔や体側面の羽が赤褐色化します。
体長は20㎝、翼の付け根から末端までの長さは10㎝程度と小さく、丸くてずんぐりした体型で、すばしこく走り回ります。
ウズラの生態
日本では、数羽から数10羽の群で、草原などで目撃されます。繁殖地では、5月〜10月にかけて、地面の窪地に枯れ草などを敷いた巣に10個程度の卵を産みます。
一夫一妻ですが、抱卵(16日〜21日間)は、メスが行います。
ヒナは、孵化すると直ぐに自分で餌を食べられます。20日間ほどで飛び立つことができるようになりますが、ヒナの独立は、孵化後1〜2ヶ月程です。
ウズラのメスの寿命は短命で2年未満と言われていますが、4.6年という寿命の記録もあります(オスの寿命は不明です)。
ウズラは、雑食で、虫や種子などを好んで食べます。
・卵の模様
ウズラの卵の表面(卵殻表面)には、黒茶褐色のまだら模様があります。まだら模様は、外敵から見にくくするためと言われています。
ウズラの卵の模様は、母鳥毎に違います。ウズラの卵を作る器官では、模様の元となる色素が分泌されて、子宮壁の伸縮や卵の回転で斑紋が作られるためです。
卵の模様は、母鳥毎に似た形状をしています。
禁止されていたウズラの狩猟
ウズラは、2012年に環境省レッドリストに記載された絶滅危惧種に分類されています。そのため、ウズラの狩猟は禁止されています。
ウズラの卵は、スーパーマーケットでも販売されていますが、これは、養殖ウズラとして飼育されているからです。
飼育されているのは、メスだけですが、選別漏れで、オスが混じって飼育されることもあるため、市販されている卵には有精卵が混じっていることもあります。そのため、孵化させるように温めると、ヒナが孵化することもあると言われています。
ウズラをペットにする場合の注意点
ウズラは、ニワトリよりも小さくて狭いスペースでも飼うことができるため、ペットとして飼う人もいますが、次の点には注意が必要です。
ウズラはジャンプすることが好きですし、何かに驚いただけでも、直ぐに飛び上がります。天井は出来るだけ高くして、天井には頭がぶつけた場合を考慮してクッション材などを取り付けて下さい。(1メートルぐらいは簡単に飛びます)
また、ウズラは早朝から大きな声で鳴き続けることがあるので、住宅街の場合は、防音対策も必須です。
これ以外にも、ウズラが快適に過ごすための対応には様々なものがあります。ペットショップなどで飼育方法を聞いて対応することをお勧めします。
ポイントのまとめ
ウズラは、走りが得意のため、まさか海を飛んでやってくる渡り鳥だったとは驚かされました。
ウズラのことを調べると、絶滅危惧種に指定されていることや、メスの寿命が短いこと、母鳥ごとに卵のまだら模様が類似していること、さらに飼育販売されている卵に有精卵が混じっていることもあるようで、知らないことだらけでした。