カメムシの悪臭の3つの大切な役目

派手なカメムシ

派手なカメムシ

カメムシの体表は厚いセメント層で覆(おお)われていて、自身で放出した悪臭の分泌液が皮膚からしみ込まないようにしています。それほど強烈な臭い物質ですが、カメムシにとっては3つの大切な役目を担っています。

▼目次

  1. カメムシの悪臭の3つの役目
  2. カメムシの悪臭の主成分
  3. カメムシの悪臭はどんな時に放出されるの?
  4. ・有害物質を放出するカメムシ自身は大丈夫なの?
  5. 悪臭の具体的な役目
  6. ポイントのまとめ

カメムシの悪臭の3つの役目

洗濯物を取り込んだ時に、カメムシの悪臭にやられた人は多いでしょう。カメムシは、くさい臭いのおかげでヘッピリムシの異名を持っていて、不快害虫に分類されています。

ところが、カメムシにとっては、この不快な臭いは生きていく上で大切な、「防御」、「警報」「集合」の役目を担っていました。

カメムシの悪臭の主成分

カメムシの悪臭の主成分は、アルデヒド類のヘシセナールやデセナールと言われる物質です。

ハーブのパクチーの生葉の匂いは、カメムシの臭いに似ていると言われています。バナナやキュウリの青臭さに近いかもしれません。

におい物質は、カメムシの胸の分泌腺で作られて、開口部から放出されます。開口部は、幼虫の時には背中に、成虫になると胸の腹面の根本付近にあります。

カメムシの悪臭はどんな時に放出されるの?

カメムシは、外敵に襲われる時などに「防御」のために臭腺の開口部から悪臭の分泌液を飛散させます。この分泌液はとても揮発しやすいため、いっきに臭いを漂わせて外敵を退散させる威力があります。例えば、外敵のアリも、この強烈な悪臭で逃げ出します。

 

・有害物質を放出するカメムシ自身は大丈夫なの?

悪臭を放出すると、天敵のアリも逃げ出すほどですから、相当有害なのでしょう。ちなみに、悪臭の主成分のアルデヒド類は、刺激性の物質で、息が詰まる臭いを発散させ、可燃性を持つ有害物質とされています。

悪臭成分は、カメムシ自身にも有害ですが、カメムシの体表は厚いセメント層で覆(おお)われていて有害物質が皮膚の中にしみ込まないようになっています。

ただし、密閉容器に閉じ込められると、呼吸器などからカメムシの体内に入ってしまうため、自分の発した臭いで死んでしまうこともあります。

悪臭の具体的な役目

カメムシの集団

カメムシの集団

カメムシの悪臭は外敵からの「防御」ですが、「警報」と「集合」の役目とは、どんなことなのでしょう。

警報については、敵が来たので逃げろという「警報」です。これが、2つ目の役目です。

カメムシの多くは、幼虫時代に群れで生活しています。寒い冬をのりきるため、葉の裏側などに群れで集まることもあります。オスがメスを呼び寄せることもします。

このような時にも、カメムシは悪臭を放出して仲間を呼び寄せます。これが、3つ目の「集合」の役目です。

悪臭の濃度が最も濃い時には、外敵を退散させるほど強烈な臭いですが、「警報」では、それよりも低濃度の物質を放出させ、仲間を「集合」させる場合には、さらに低い濃度と言われています。

悪臭の濃度を変えるだけで、本当に「防御」、「警報」、「集合」の区別が出来るのか不思議ですが、カメムシの悪臭は、このような3つの役目を担っていました。

ポイントのまとめ

カメムシの臭いは嫌な臭いですが、自分の体をセメント層で守らなければならない程、強烈な有害物質でした。しかも、臭いの濃度を変えることで、「防御」、「警報」、「集合」の3つの役目もしていました。

カメムシは、臭い昆虫として多くの人から嫌がられていますが、彼らにとって臭い物質はなくてはならない大切なものだったのです。カメムシも可愛い昆虫でした。あまり嫌がらないで下さい。