働かないアリ|遺伝子で増える働かないアミメアリ

くつろぐカンガルー

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アミメアリは日本中にいますが、働かない遺伝子をもっている個体がいることが判っています。実験では、働かないアリが増えると、コロニーは消滅しますが、アミメアリは、1万年以上も繁栄しています。まだ研究結果はありませんが興味深い内容です。

▼目次

  1. アミメアリは不思議なアリ
  2. 働かないアリの発見
  3. ・働かないアリから産まれたアリは働くの?
  4. ・働かないアリが増えるとどうなるの?
  5. 働かないアリだけを集めた実験
  6. ・アミメアリが消滅しない不思議
  7. ポイントのまとめ

アミメアリは不思議なアリ

三重県紀北町(きほくちょう)の働かないアリ(アミメアリ)は、アリの研究者たちによって発見されました。アリ好きの人々には不思議なアリの行動として有名です。

アミメアリは日本のどこにでもいるアリです。本サイトでも「女王アリのいないアミメアリの社会」という記事で紹介しているので、参照下さい。

今回は、紀北町(きほくちょう)にいることが確認された、働かないアリ(アミメアリ)に焦点を当てて、紹介します。

働かないアリの発見

働かないアリは、1982年頃に、三重県紀北町(きほくちょう)でアリを観察している人が発見しました。以来、さまざまな研究者によって観察研究されてきました。

2013年には、琉球大学の辻和希教授と京都大学の土畑重人研究員(現、助教)の共同研究で、子をたくさん産むけれど「働かないアリ」と、働き過ぎて過労死をまねいてしまう「働きアリ」についての論文が発表され、多くの注目を集めています。

アミメアリは、普通のアリと違って、女王アリがいないアリです。アミメアリは、全員が卵を産んで皆でエサを与えて子育てします。つまり、皆、平等で階級はありません。

一見するとアミメアリは、理想的な社会を作っていますが、アミメアリの中には、卵を産むだけで、その後は何もしないアリがいることが確認されています。

・働かないアリから産まれたアリは働くの?

「働かないアミメアリ」の子は、やはり「働かないアリ」ということが判っていて、「働かないアリ」は、遺伝子的に決まっていることそうです。そんな働かないアミメアリが多くの卵を産んで子孫が増えると「働かないアリ」が増えてしまいます。何だか、不気味ですね。

・働かないアリが増えるとどうなるの?

働かないアミメアリは、働くことにエネルギーを使わなくて済むため長生きして、その分だけ卵を余分に産むことができます。卵はいっぱい産まれますが、「働かないアリ」は、子育てをしません。

ところが「働かないアリ」が増えて、「働くアリ」たちの比率が少なくなると「働きアリ」の負担は極めて重くなり、やがて過労死してしまいます。

その結果として、「働きアリ」の数は減って、「働かないアリ」の割合がますます増えてしまいます。

働かないアリだけを集めた実験

だるいライオン

だるいライオン

「働かないアリ」だけを、集めて一つのビンで飼育すると、「働かないアリ」の集団は、掃除もしないため、ビンは汚くなって、多くの卵は死んでしまいます。

実際のアリの巣では、「働きアリ」がいるため暫くは生存できますが、やがて「働かないアリ」が過半数を超えるとエサも無くなって、子供も成長できなくなります。そして、巣が汚れて不衛生になると、巣は消滅してしまうことになります。

なお、普通の「働きアリ」の遺伝子は、巣ごとに違うことが判っていますが、「働かないアリ」の遺伝子は、どの巣でも同じ遺伝子を持っていました。このことは、「働かないアリ」のルーツは1つで、もともと棲んでいた他の巣から入り込んできたことを示しています。

恐らく、「働かないアリ」は、棲んでいた巣が消滅する前に脱出して、別の巣に逃げ込んだのでしょう。

・アミメアリが消滅しない不思議

アミメアリは、「働かないアリ」が増えて巣が消滅してしまう危機があります。しかも「働かないアリ」は、どんどん増えてしまうかもしれません。

ところが、アミメアリは、既に1万年以上の歴史を持っています。何故、アミメアリは、現在も繁栄しているのでしょうか?

研究者たちは、その理由を確認しようとしています。

ポイントのまとめ

アミメアリは日本中に生息しているアリですが、働かない遺伝子をもっているアリがいることが判ってきました。

しかし、遺伝子レベルで働かないアリがいるアミメアリは、1万年以上の歴史を持っています。彼らは、何故、撲滅しないのか、また、「働きアリ」たちは、何故「働かないアリ」たちを攻撃しないで見過ごしているのか、考えてみるととても不思議です。

社会性昆虫のアリの不思議な行動の解明は、人の社会生活にも役立つかもしれません。将来、アミメアリの「働かないアリ」の研究は進んで、私たちに道標を示してくれるかもしれません。すごく期待しています。