昆虫ミメティクスの活用|ハニカム構造と赤外線センサー

ハニカム構造

ハニカム構造

生物が長年かけて獲得した機構を研究して、人間が使う技術に応用するバイオミメティクスが注目されています。同様に、昆虫ミメティクスの研究も素晴らしい成果を上げています。今回は、「ハニカム構造」と「高感度センサー」の活用例と研究例を紹介します。

▼目次

  1. 昆虫ミメティクスの活用
  2. ハニカム構造の応用
  3. 赤外線センサー
  4. ・ナガヒラタタマムシが持っている能力
  5. ポイントのまとめ

昆虫ミメティクスの活用

生物が進化の過程で形づくってきた形態や機能は、合理的で優れた工夫が集結しています。昆虫ミメティクスは、昆虫が持っている優れた機能や形をまねして、それを工学や医療分野などに応用することです。
以前にも、シロアリ塚を模してつくられた空調設備の例を紹介しました。今回は、「ハニカム構造」と「高感度センサー」の活用を紹介します。

 

ハニカム構造の応用

ハチの巣の幼虫が1匹ずつ入る構造は、正六角形をしています。これはハニカム構造と言われているもので、既に色々な所で使われています。

ハニカム構造は、隣同士の巣穴を隙間なく並べることができるため、スペースを最大に活用できる大変合理的な形状です。亀の甲羅や昆虫の複眼もこの構造をしています。

ハニカム構造は、合理的な形状をしているだけでなく、軽くて強度があるため、航空機の翼や各種建築材料にも使われています。段ボールが思っている以上に強固である理由も、この構造を採用して作られているからです。
尚、ハニカム構造は、これらとは別の機能も評価されています。将来、実用化されるでしょう。

 

赤外線センサー

センサー

センサー

現在の赤外線センサーは、赤外線の持つエネルギーが温度上昇を引き起こしてしまうため、センサー装置として使う時には、装置を冷やすための冷却装置が必要になります。

赤外線センサーは、山火事が発生した時の高感度センサーとして使われていますが、冷却装置が必要になるため、昆虫が持っている優れたセンサー技術を応用して活用するための研究が続けられています。

 

・ナガヒラタタマムシが持っている能力

ナガヒラタタマムシという甲虫は、数10kmも離れた山火事も感知してしまう程、超高感度のセンサーを身につけている昆虫です。

昆虫ですから冷却装置なんて無くても実現しています。
ナガヒラタタマムシが、こんなことができるのは、物理的刺激に反応する機械センサー(メカノセンサー)ということが判ってきました。
ナガヒラタタマムシの複眼の後ろ側には、液体で充満された球状の感覚細胞ありますが、これが赤外線の照射を受けると熱膨張して、力学的な刺激に変換されて神経に伝達されるような機構です。

ナガヒラタタマムシは、他の生物が、山火事のために、逃げていなくなった場所を見つけて繁殖する甲虫です。他の生物がいない場所なら、安心して産卵や子育てができるのでしょう。

 

ポイントのまとめ

ハニカム構造の応用事例と、現在の機能とは視点を変えた新しい研究がされていることを紹介しました。

また、山火事を検知するナガヒラタタマムシのセンサー技術は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換することで、冷却装置の不要な赤外線センサーを実現していました。

昆虫ミメティクスは、生物が長い年月をかけて進化して獲得した技術機構を人間の技術に応用するものです。昆虫を研究することで、発想の転換も生まれるでしょう。増々、研究対象が広がることを期待しています。