秋の虫|鳴く虫の女王と呼ばれるカンタンとはどんな昆虫なの?

カンタンという虫の絵

カンタンという虫の絵

秋の夕暮れに聞こえる虫の声は、どこか寂し気です。これから少しずつ冬に向かっていく季節と相まって、とてもしんみりします。そんな秋の虫の中で、女王と呼ばれる虫がいます。カンタンです。知らない方のために、カンタンのあれこれを紹介します。

▼目次

  1. 秋の虫の女王はカンタンだった
  2. カンタンのあれやこれや
  3. ・カンタンの外形
  4. ・カンタンの生態
  5. ・カンタンの性質
  6. ・カンタンの食べ物
  7. カンタンの名前の由来
  8. ポイントのまとめ

秋の虫の女王はカンタンだった

まだ残暑は続いていますが、秋の虫たちの合唱は始まっています。夕方になると、コオロギの鳴き声が心地よく響きわたります。

 

私は、スズムシとコオロギの鳴き声を知っている程度で、カンタンという虫のことは知りませんでした。

 

カンタンは、弱々しい声に気品と情緒があって、涼しくなった秋の夕暮れ時に、とても合っていて、鳴く虫の女王と言われていました。(女王と言われても鳴いているのはオスです)

 

カンタンの鳴き声は「リリリリリリリリーッ」「ルルルルルルーッ」或いは、「フルルルル」などと聞こえます。確かに、この声は毎年聴いていたと思います。

 

そんなカンタンという秋の虫について紹介します。

 

カンタンのあれやこれや

秋の虫

秋の虫

カンタンは、コオロギの仲間で「直翅目(ちょくしもく)」の「コオロギ科カンタン亜科」の昆虫でした。ただし、カンタンは、夏のバッタのような、薄い緑色のものや、薄茶系のもいます。

 

カンタンの生息域は、北海道の北側にあるロシアとロシア南東部や朝鮮半島などです。日本では全国の草地にいます。

 

・カンタンの外形

カンタンを上から見ると、10mm〜20mm程の小さな細長い体で、薄い黄緑色をしています。背中には薄い翅があって、鳴く時は、この翅をたててすり合わせているように見えます。

 

・カンタンの生態

カンタンの成虫は、8月から11月ごろにかけて、活動しています。メスは9月中頃になると、ヨモギなどの柔らかい茎を選んで噛み穴を開けて、産卵管を入れて卵を産みます。

 

卵は、翌年の6月頃に孵化(ふか)した後、1ヶ月〜2ヶ月で成虫になります。成虫になったオスのカンタンは、3日程で鳴き始めて、伴侶を探しはじめます。

 

この時オスは、自慢の鳴き声をひびかせながら、オスの背中からメスが好む特殊な分泌物を出して、メスがきたら差し上げます。

 

オスは、この時、メスの一瞬のすきに交尾を済ませて逃げ去り、生涯を終えます。

 

・カンタンの性質

カンタンは、小さな虫ですが、意外に攻撃的で手で捕まえると噛みつかれることもあります。また、とても縄張り意識が強い昆虫で、飼育する時などに、2匹を同じケースに入れると共食いをするので配慮してください。

 

鳴く虫の女王とまで言われている虫ですから、いっぱい虫かごに入れて鳴き声を楽しみたくなりますが、1匹ずつ入れないと、鳴いてくれなくなるそうです。共食いをするほどですから、相手のことが気になってパニックになってしまうのでしょう。

 

鳴く虫の女王と呼ばれていますが、鳴くのはオスだけです。鳴く目的は、他の虫と同様にメスをおびき寄せるためです。

 

・カンタンの食べ物

カンタンは、アブラムシなどを好んで食べる肉食ですが、ヨモギなども食べる雑食性の昆虫です。

 

ただし、糖分と動物質(肉など)が不足すると、幼虫の成長が止まって死んでしまうこともあるため、飼育する時は、それらに考慮した加工食材を組合せると良いでしょう。

 

カンタンの名前の由来

カンタンという名前は、ちょっと変わっていますが、由来は次のようなものです。

『中国人の男が邯鄲(かんたん)という都で、仙人から貰った枕で眠ったら、幸福な一生を送る夢をみました。ところが目覚めると、とても短時間だったという故事があります。』この故事は、人生の夢や栄華は、一瞬で儚い(はかない)ものという意味を表しています。

 

どうやら、カンタンの鳴き声は、「一生の夢や栄華は、はかないものということ」を連想させるのでしょう。

このことから、カンタンで鳴くキリギリスのことを、「カンタンのキリギリス」→「カンタンギス」→「カンタン」という名前になったと言われています。

 

ポイントのまとめ

秋が近づいてきて、虫の声が響き渡る季節になりました。カンタンの事を調べて、この虫を好きになりました。今年の秋は、少しだけ、虫の声と姿が一致する種類が増えました。

 

カンタンの声を聞きながら秋の夕暮れを楽しみたいと思います。