ヒガンバナは、どのように日本中に広がったの?|ヒガンバナの毒

赤いヒガンバナ

赤いヒガンバナ

少し前の日本では、秋になるとヒガンバナは群生していました。そんなヒガンバナは、種子を持っていないため、独力で分布を広げることはできません。この記事では、どのようにして日本中に分布を広げたのかなどを分かりやすく紹介しています。

▼目次

  1. ヒガンバナは、どのように日本中に広がったの?
  2. ・何故、ヒガンバナは植えられたの?
  3. ヒガンバナとはどんな植物なの?
  4. ・概要
  5. ・・花の咲き方
  6. ヒガンバナの毒
  7. ポイントのまとめ

ヒガンバナは、どのように日本中に広がったの?

ヒガンバナは種子を持たないで球根で育つため、毎年同じところから生えてきますが、どのようにして各地に広がったのでしょう。

 

人々は、引っ越しをするたびにヒガンバナの球根を持っていって、新居近くの田んぼのあぜ道や土手に植えたと言われています。つまり、ヒガンバナは、人手によって日本各地に伝搬したのです。

 

・何故、ヒガンバナは植えられたの?

日本人は農耕民族のため、田んぼや畑に穴を掘る小動物の侵入を避けることに注力しました。
ヒガンバナは、地下の鱗茎に毒を持っています。そのため、ヒガンバナは小動物の侵入を避けるために植えられたのでしょう。

 

同じように、埋葬された御先祖を小動物から守るため、墓地の周りにもヒガンバナは植えられました。

 

ヒガンバナとはどんな植物なの?

あぜ道に群生するヒガンバナ

あぜ道に群生するヒガンバナ

ヒガンバナは、秋風が吹き始める頃に、群れて赤い花を咲かせます。子供の頃は、赤色が怖かったのと、墓地に沢山咲いていたので、ヒガンバナに対して、意味もなく良い印象を持っていませんでしたが、大人になってみると、自然に創られたものとは思えない程の妖艶な美しさに気づきました。

 

ヒガンバナを調べると、日本への伝搬の仕方や、種子を持っていないヒガンバナが、日本各地に広く分布していった経緯など、知らないことばかりでした。

 

・概要

日本のヒガンバナは、広く分布していて日本の花のように思われますが、原産は中国です。中国でも最も多く見られるのは、揚子江の中流域付近です。

 

中国から日本に伝搬した方法は、揚子江の洪水によって、土手に群生していたヒガンバナの球根が海に流され、九州に流れ着いたという説と、人手によって九州に持ち込まれたという説があります。

 

ヒガンバナの学名は(Lycoris radiate)です。このLycorisは、ギリシャ神話の海の女神の名前です。

 

何らかの方法で九州に入ってきたヒガンバナは、その後、日本各地に分布を広げていきました。

但し、ヒガンバナは、種子がならない「不稔性植物フネンセイショクブツ」のため、自然界で日本中に広がって行くことは考え難く、人手によって広がったと言われています。

 和名:ヒガンバナ
 科名:ヒガンバナ科
 生態:多年草(花期:9月)、球根性植物
 背丈:30〜50㎝
 別名:マンジュシャゲ、ハミズハナミズ、シビトバナ、ソウシキバナ等々
 学名:Lycoris radiate
 花の特徴:6枚の花弁が輪形に並ぶ
 地下の鱗茎:有毒(食用や漢方にするには、解毒処理要)

 

・・花の咲き方

ヒガンバナは、葉が出てくる前に花茎を長く伸ばして、その先端から伸びた短い柄から真っ赤な六弁の花びらを大きく反り返らせて咲きます。花びらの長さは、4㎝、幅は5mm程度です。5〜7個の短い柄の、それぞれに花びらがつきます。

 

花が満開の時を過ぎると(晩秋の頃)、長さ30〜50㎝の細い葉を地表に水平に並べるように出します。この葉は翌春には、枯れてしまうので、秋になるまで、ヒガンバナの形跡は見られません。

 

このような形で花を咲かせることや、葉を出すため、ヒガンバナには、ハミズハナミズ(葉見ず花見ず)という別名が生まれました。

 

ヒガンバナの毒

ヒガンバナは有毒ですが、球根はむくみを解消する薬用としても使われていました。球根には良質のでん粉を多量に含んでいることから、飢餓の時などは、解毒後に非常食として、でん粉も利用されました。

 

《どんな毒なの?》
球根には、リコリンというアルカロイドが含まれていて毒性は強いのですが、無毒のでん粉だけを取り出す工夫をして用いたようです。(但し、しっかりと解毒を施さないと中枢神経の麻痺や、ひどい場合には死に至ることもあるので、専門家による対応が必要です)

 

ポイントのまとめ

原産は中国の揚子江の中流域付近のヒガンバナは、種子をもっていませんが、九州に入って来くると、人手によって植えられて日本中に広がりました。

 

《日本中に広がった理由》
日本では、田んぼや畑に土に穴を掘る小動物の侵入を避けるため、鱗茎に毒を持っているヒガンバナが植えられました。同様に、墓地の周りにもヒガンバナは植えられました。

さらに、ヒガンバナは、次のような理由でも重宝されていました。

  1. 有毒なヒガンバナの球根は、むくみを解消する薬用としても使われていた。
  2. 球根には良質のでん粉を多量に含んでいるため、飢餓の時などは、解毒後に非常食として利用された。

以上のように、ヒガンバナは日本人には、とても有益な植物として、広がって行ったのでしょう。