なぜアリは一直線に巣に戻れるの?|不思議な、アリの方向認知能力

一本道

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働きアリは、餌を探してあちこち歩き回っても、餌を見つけると迷うことなく巣に持ち帰ることが出来ます。アリの匂い検知能力だけでは説明が難しいため、「太陽コンパスによる方向認知」+「経路積算の能力」の2つの能力を持っているものと推測されています。

▼目次

  1. なぜ、アリは一直線に巣に戻れるの?
  2. 不思議な、アリの方向認知能力
  3. 太陽コンパスとは?
  4. 経路積算とは?
  5. ポイントのまとめ

なぜ、アリは一直線に巣に戻れるの?

アリが一直線に巣に戻れる理由は、「太陽コンパスによる方向認知」+「経路積算」という能力が備わっているためと言われています。

 

不思議な、アリの方向認知能力

方向

方向

働きアリは、餌を探してあちこち歩き回っても、見つけた餌を迷うことなく巣に持ち帰ることが出来ます。

 

以前、本ブログでも、このようなアリの能力について、道標(みちしるべ)として使う「匂い物質」で説明したことがありますが、アリは匂いを触覚に触れることで検知して行動します。

 

アリは、餌を探して右に左に行ったり来たりした後で、その匂いに頼るだけで、巣に戻ることができるのでしょうか?

 

疑問は残ります。

 

実は、アリが、一直線に巣に戻る方法は、まだ解明されていませんが、アリには、「太陽コンパスによる方向認知」+「経路積算」という能力が備わっているためと推測されています。

 

太陽コンパスとは?

これは、太陽の方向を基準にして定位方向を決めるものです。

太陽光は大気の分子にぶつかって散乱します。散乱した光は部分的に偏光するので、天空には偏光パターンが形成されています。

 

この偏光パターンは、太陽光が雲等によってさえぎられても、存在しています。

 

アリの複眼は、偏光フィルターの特性を持っているため、偏光パターンを確認できます。そのため、アリは常に進んでいる方向を認識できると言われています。

 

このことは、スイスの科学者がアリを使った実験(1911年)で、既に証明されていました。この実験では、意図的に太陽の位置を変えると、アリが定位方向を変更することが確認されているからです。

 

尚、太陽コンパスを利用している昆虫は、アリ以外にも様々な昆虫で確認されています。

 

但し、太陽コンパスだけでは、アリが的確な位置情報を認識して活用することはできません。出発した地点に直線的に戻るためには、「経路積算」という能力も必要です。

 

経路積算とは?

「経路積算」でスタート地点に戻る方法は、既にダーウィンによって19世紀には提唱されていました。(現在まで、様々な動物や昆虫で研究されています)

 

「経路積算」は、現在の居場所と、スタートした場所の位置関係を常に把握するものです。進んだ方向と距離を確認しながら足していくことで、スタート地点を認識しています。(脊椎動物では、脳の海馬と、その周辺皮質が、これらの情報処理に深く関わっていることが判っています)

 

この「経路積算」能力は、ミツバチ、カメムシで確認されていて、サバクアリというアリでも判っています。

このようなことから

 

アリには「経路積算」能力があって、「太陽コンパス」で進んだ方向をモニターできるため、餌を見つけた時に、巣に向かって一直線に戻ることができると考えられています。

 

まだ確認できていない部分もありますが、今後の研究で明確化されるでしょう。

 

ポイントのまとめ

働きアリは、餌を探してあちこち歩き回っても、餌を見つけると迷うことなく巣に持ち帰れます。

 

これを実現するには、匂いに頼るだけでは不可能で、次のような能力で実現していると推測されています。

 

アリが、一直線に巣に戻れるのは、まだ、確認不足のため断定されていませんが、「太陽コンパスによる方向認知」+「経路積算」の2つの能力を持っていることだと推測されています。