アリを用心棒にするアリ植物が共生のために提供しているもの

植物とアリ

植物とアリ

アリは、外敵から襲われにくい狭い空間を好みます。植物の中には、このようなアリの性質を利用して共生しているものがあります。この記事では、共生する植物とアリとの生活や、植物がアリを引きとめるために提供しているもの等を、紹介しています。

▼目次

  1. アリ植物とアリとの共生
  2. シリアゲアリ属の仲間とオオバギ類の共生生活
  3. その他のアリとアリ植物の共生生活
  4. ポイント

アリ植物とアリとの共生

アリと植物が持ちつ持たれつで、共生する理由には次のようなものです。

 

  1. アリは、住んでいる植物を外敵から守る
  2. 植物は、ガードマンをするアリに住まいや食べ物を提供する

このようにアリと共生する植物の総称は「アリ植物」と呼ばれています。

 

シリアゲアリ属の仲間とオオバギ類の共生生活

オオバギという木は、マレー半島のボルネオやスマトラの高木です。オオバギ類には数多くの種がありますが、その中の少なくとも26種には、シリアゲアリ属のアリを住まわせて共生しています。

 

シリアゲアリの新女王は、交尾をすませるとオオバギの幼木を探して、茎の中に入り込んでから、コロニーを作ります。

 

オオバギの幹の内側は竹のような空洞になっていて、アリの住処には丁度良いのです。

 

また、オオバギは住まいを提供するだけではなく、葉の裏や茎の一部からアリが好む栄養の塊(タンパク質や脂肪)をふんだんに提供しています。

 

シリアゲアリは、オオバギから貰える栄養分で十分に生活できますが、「甘露」を排泄してくれるカイガラムシをオオバギの空洞で家畜として養っています。

 

そのため、シリアゲアリは、生涯に亘ってオオバギから降りて生活する必要はありません。オオバギを守るガードマンとしての役目を果たせば良いのです。

 

その他のアリとアリ植物の共生生活

ガードマン

ガードマン

中南米には、オオバギに似た、セクロピアというアリ植物があります。

セクロピアの幹はまるで竹のように中空で節もあります。この中に棲むのは、主としてアステカアリ属のアリの仲間です。

 

セクロピアは、大きな葉の付け根付近に多くの栄養体を実らせてアリに提供しています。その代わりに、アステカアリは、セクロピアを守って、巨木に成長させます。

 

オオバギもセクロピアも巨木ですが、低木のアリ植物もあります。それは、中南米にあるコショウの一種です。

 

このコショウの木は、葉柄の付け根付近に空洞を作って、オオズアリ属のアリに住まいを提供しています。この植物は、空洞の内壁に栄養体をふんだんに実らせて、オオズアリ達に与えています。

 

但し、アリが住んでいない時には、栄養体を作りません。

 

これは不思議ですが、研究者たちは、アリが植物に何らかの刺激を与えて栄養体を作らせていると考えています。

 

共生関係を調べると、色々なことが判って興味は尽きませんが、まだまだ研究者たちにも確認できていないことが山積しています。

 

ポイント

アリ植物とアリとの共生関係をみると、安心して住める場所と食べ物までもらえるアリが得だなと思いますが、それだけ自然界では植物をおびやかす難敵が多いのでしょう。

 

考えてみると、もしもアリ植物が敵にやられると、アリの食糧源や住まいもなくなってしまうのですから、アリも命がけで植物をまもるのでしょう。

 

今更ながら、考えてみると自然界で生きていくのは大変なことなのでしょう。