ピーナッツの実は、地中で育ちます。地中でタネを付けるメリットは、鳥やネズミ、虫などに見つかりにくいために食べられるリスクが減るからなのでしょう。ただし、これでは何世代も同じ場所で育つことになります。疑問点は残りますが、興味は尽きません。
1.ピーナッツが地中に実を付ける理由
食べると美味しいピーナッツですが、畑で実際の実を見たことがある人は少ないでしょう。ピーナッツの実は、空中ではなくて地中に実るからです。
ピーナッツは、子房を土中に潜らせることで、土の抵抗を感じ取り、光をさえぎり、そして土中の子房からダイレクトに水を吸収しています。
そのため、ピーナッツは、「子房(しぼう)」がタネになるには、「暗闇」と、「十分な水分」、それと「土の抵抗」が必要です。
まあ、これがピーナッツが土の中に実を付ける理由と言っても良いでしょうが、ピーナッツの気持ちになれば、地中の方がピーナッツを食べてしまう鳥やネズミ、虫などに見つかりにくいからと考える方が自然でしょう。
恐らく、ピーナッツは、「鳥やネズミ、虫など」に見つかりにくいように考えて、地中に実を付けるように進化したのでしょう。
2.ピーナッツとは?
ピーナッツは、マメ亜科ラッカセイ属の一年草です。南京豆(なんきんまめ)とも呼ばれています。ピーナッツというのは、英語名の「peanut」の発音が定着したのでしょう。(本来は、ラッカセイに実るマメのことをピーナッツと言いますが、ここでは、草木部分を含めてピーナッツで記載します)
畑で栽培されているピーナッツの草丈は、30㎝〜50㎝の大きさで、収穫の時期に根本の茎を持って引き上げると、根の部分に実がぞろぞろ付いて出てきます。
ピーナッツは、7月の初めごろにチョウチョのような黄色い花を咲かせた後に、めしべの下端部の「子房(しぼう)」から柄のようなものを伸ばして地面に突き刺します。
「子房(しぼう)」は、受粉すると果実になるため、地面に突き刺したピーナッツの場合は、地中で実を付けます。
3.ピーナッツのルーツ
日本では、ピーナッツと言えば、千葉県です。千葉県は生産量のシェアNo1で、国内落花生の8割弱も生産しています。
ピーナッツは日本には、中国から18世紀ごろに伝えられています。その後、明治政府による栽培の奨励で全国に広まっていきました。
3-1.ピーナッツの原産地
ピーナッツと性質の似ている野生種は南米ボリビアの南部で発見されていることから、原産地は南米と考えられています。
4.まとめ
ピーナッツ(ラッカセイ)のタネは土の中で実ります。理由は、タネの元になる子房が、「暗闇」と、「十分な水分」、それと「土の抵抗」を必要としたからでした。
地中に実を付けることで、食べられてしまうリスクは少なくなると思いますが、根と同じ場所にタネがあるため、何世代も同じ場所で育つことになります。
そう考えると、ピーナッツのようにタネを土の中に実らせる植物は、何故そんなことをしているのか疑問です。
尚、ピーナッツと同じように、タネを土の中に実らせる植物には、帰化植物の「ツタバウンラン」があります。他にも、似たような性質の植物はありますが、少数派です。
もっと詳しいことや新説が見つかったら紹介します。