鳥の口は、何故クチバシになったのでしょう

 

くちばし

くちばし

鳥には手がありませんが、尖ったクチバシがあります。鳥の仕草を観察すると、鳥の口が何故クチバシになったのか判るようになります。この記事では、クチバシの役目や構造から、その理由を明らかにしていきます。

▼目次

  1. 1.鳥の口がクチバシになった理由
  2. 2.クチバシが担っている役目
  3. 3.体のさまざまな場所に届くクチバシ
  4.  3-1.鳥類最大の頸椎を持つハクチョウ
  5. 4.まとめ

1.鳥の口がクチバシになった理由

多くの鳥は、羽で空を飛ぶ能力を持っています。自分の体を浮遊させて飛ぶためには、大きな力を出すために、特別優れた循環器系の能力を持つことや、少しでも体の負担を少なくするために、体の軽量化をする必要があります。

歯は食べるものをかみ砕かなければならないため、密度が高くなって重くなります。鳥は、歯を無くして飛翔するのに都合の良い軽量なクチバシにしたのでしょう。 鳥が歯を捨ててクチバシを選んだのは、空を飛ぶためでしょうがクチバシには、さまざまな役目があります。

鳥の口がクチバシになった理由は、空を飛ぶために軽量化したことだけではなく、クチバシが担っている様々な役目を果たす優れたパーツだからでしょう。

 

2.クチバシが担っている役目

鳥は、首を曲げて、くちばしが背中やお尻にもとどきます。鳥は、クチバシで羽繕いや、体に付着した寄生虫をついばむこともできます。 手のない鳥は、人が指先を使うようにクチバシを使っています。クチバシの役目には、次のようなものがあります。

  1. 羽繕い
  2. 食べる、割る、つぶす、突き刺す、はがす
  3. ひなにエサを与える
  4. 舌とともに、固さ・質感・温度・味などを感じる
  5. 持ち上げる、保持する
  6. クチバシを木の枝などに挟み込んでぶら下がる
  7. 巣作り
  8. 持ち上げる、投げる、落下させる

この中でも頻繁に行っているのは、腰部付近から分泌される尾脂腺(びしせん)の脂をクチバシで搾り取って羽毛に塗りつける羽繕いです。

これは、体の保温力と飛翔力が常に最大に発揮されるようにするための大切な行為です。 クチバシは、「羽繕いをしやすく」、「エサを食べやすく」、「ものを持ち上げる」などの行為をピンセットのように扱うことのできる大切なツールだったのです。しかも、出来るだけ軽量にして飛翔しやすい形にしたのでしょう。

鳥の骨は、軽量化のため、スカスカの構造ですが、強度を保つための筋交い構造になっています。クチバシも同様です。

 

3.体のさまざまな場所に届くクチバシ

毛繕いするカモ

毛繕いするカモ

 

一見すると首がないように見える小鳥でも、首を回してお尻の周りの羽毛の毛繕いをすることもできます。

飛翔力維持のため、常に羽繕いできるように、クチバシが体中にとどくように進化したのでしょう。

首の自由度は、首の骨(頸椎)で決まります。哺乳類の場合は、大抵7個と決まっています。

人間・キリン・ゾウは全て7個の頸椎(けいつい)を持っています。もちろん、キリンの頸椎の長さは他より長いですが数は、7個です。 一方で、鳥類は必要に応じて頸椎の数ができたようです。例えば、セキセイインコは12個、ニワトリは14個、そして、ガン・カモ類には14個〜25個の頸椎があります。

 

3-1.鳥類最大の頸椎を持つハクチョウ

鳥類は哺乳類の2〜3倍もの頸椎をもっているため、あらゆる方向に自由自在に首を曲げることが出来ます。

鳥類の中で最大の頸椎を持っていたのは、ハクチョウです。25個の頸椎を持っています。白鳥が優雅に見えるのは長くて自由にまがる首を持っていたからでしょう。

もちろん、ハクチョウでも後頭部にはクチバシはとどかないため、親しくなった相手には、後頭部周辺の羽繕いをしてもらいます。 これは、ハクチョウだけでなく他の鳥も同じです。クチバシが届かない後頭部周辺の羽繕いをしてもらう行為は、鳥類の大切なコミュニケーションなのでしょう。▲目次に戻る

 

4.まとめ

鳥の口がクチバシになった理由は、常に飛び立つことができるように羽毛のメンテナンスをする羽繕いしやすい形状で、軽量なものにする必要性から備わったのでしょう。

クチバシは、鳥の骨の構造と同様に筋交い以外は空洞で軽量化されています。そして、先が尖ったピンセットのような構造をしています。

手を持っていない鳥は不自由だろうと感じてしまいますが、鳥の頸椎(けいつい)の数は哺乳類よりも多いため、真後ろ方向に曲げることができます。

鳥類は、自由に曲げることのできる首と、先の尖った精密ピンセットのようなクチバシを駆使して不自由なく過ごすことができるのでしょう。▲目次に戻る