1996年に線路上に石を置く事件でJR東日本は緊迫しましたが、犯人は食べ物を貯食するカラスでした。この習性を持つ鳥は、カラス科、ゴジュウカラ科、キツツキ科等です。優れた記憶力と、計画的な戦略を持っているのでしょう。
1.カラスの置き石で鉄道会社は大混乱
1996年にJR東日本を必死にさせた、線路上に石を置く事件が繰返し発生しました。線路上に置かれた石は、大きな事故を招く要因になる危険な因子です。
JR東日本は本気になって犯人捜しを行って、見つけることができましたが、犯人はハシボソガラスでした。
1-1.カラスが置き石をした理由
ハシボソガラスは、余分な食べ物を貯蔵する習性があります。ハシボソガラスは、食べ物を貯食するために枕木(まくらぎ)の下を選んだようです。
但し、食べ物を隠しても、後で戻った時に目印がないと困ります。
ハシボソガラスが線路上に置いた石は、目印のために置いたものか、或いは、線路下に貯蔵するためのスペースを作るのに取り除いた石だったのかもしれません。
2.カラスの貯食方法
ハシボソガラスは、余分な食べ物を貯蔵して、後で食べにくる知恵がありますが、それだけではなくて、貯蔵した食べ物の傷みやすさも理解した上で行動しています。
食べ物ごとの消費期限をおぼえていて、傷みやすいものを先に取り出して食べるそうです。
人間は冷蔵庫という素晴らしい装置を作りましたが、冷蔵庫の中で食材を腐らせてしまうことは珍しくありません。ハシボソガラスの記憶力のすごさには敬服しますが、カケスの仲間は、さらに優れた行動をしていました。
3.カケスの記憶力は桁外れ
野山に棲んでいるカケスは雪に覆われた冬山で生活しなければなりません。冬山では、食料は無くなるため、秋の間に、冬に備えて食料のドングリを集めます。
カケスが集めたドングリは、最大4,000ヶ所の場所に貯蔵しますが、正確に場所を記憶していると言われています。冬になって雪景色になっても、大きな樹木や石の位置を目印にして、ドングリ等を貯蔵した場所を憶えています。
4.貯食習性を持っている鳥たち
貯食という習性を持っている鳥は、「カラス類」、「ホシガラス類」、「カケス類」のようなカラス科の鳥や、ゴジュウカラ科やシジュウカラ科、キツツキ科の鳥の仲間などです。
5.まとめ
線路上の置き石犯を本気で探させた、ハシボソガラスは、JR東日本を困らせましたが、カラスは、屋根の隙間やパイプの穴、落葉の下などに食べ物を隠す習性を持っています。特に、仲間のカラスに見つからないように、隠した食べ物の上に枯れ葉を載せるなどのカモフラージュ行動もします。
そして、仲間のカラスに目撃された場合は、あとから隠し直すこともするそうです。
これらの行動は、優れた記憶力があるためですが、余分な食べ物を貯蔵するという行為は、将来への備えです。特に食べ物が少なくなる冬場をのり超えるための貯食行動は、優れた記憶力と共に、将来を考えた計画的な戦略を持っているからでしょう。
本当に、鳥たちの優れた能力には驚かされます。