ウェルウィッチアは、生涯で2枚の葉しかつけない珍しい植物です。また、養分の少ない乾燥した砂漠で生息するのに、信じられない程の長寿命と言われています。ウェルウィッチアは、奇妙な姿とともに、まだまだ究明されていないことが多い植物です。
1.ウェルウィッチアが生涯で2枚の葉っぱしか付けない理由
ウェルウィッチアは、生涯でたった2枚の葉しかつけません。写真をみると、幅広の海藻のような葉っぱがいっぱいあるように見えますが、実は、芽を出した時の2枚の葉が大きくなって裂けています。
海の底から上に向かって伸びる巨大なコンブを想像して下さい。コンブのようなものが、ウェルウィッチアの葉っぱです。砂漠の砂の上に横に伸びているのです。
ウェルウィッチアは、途中で葉が枯れた時にも、別の場所から新しい葉が出るのではなくて、最初の2枚の葉のところから再生します。
理由は、ウェルウィッチアの根本に分裂組織があるためです。同じところから出てくるため、生涯にわたって2枚の葉っぱしか付けないことになります。
また、ウェルウィッチアは、ナミブ砂漠という栄養分の少ない乾燥地帯に生息しているのに、寿命がとてつもなく長いと言われています。現存する最古の株は1,600年〜2,000年も経ているそうです。
そもそも、ウェルウィッチアとはどんな植物なのでしょう?
2.ウェルウィッチアって何?
ウェルウィッチアという植物は、1859年にオーストリアの探検家がアフリカ南西部のアンゴラの砂漠で発見したもので、発見者の名前にちなんで「ウェルウィッチア」と名付けられています。
ウェルウィッチアは、つる植物でタネがむき出しになる裸子植物の「グネツム目」に分類されていて、その中の「ウェルウィッチア科」に属しています。但し、「ウェルウィッチア科」は、この品種だけです。
ウェルウィッチアは、寿命が長いと言われていますが、現物のウェルウィッチアで寿命を推定するのは難しいでしょう。
2-1.ウェルウィッチアの寿命推定の難しさ
ウェルウィッチアの葉は、長さとともに幅を広げて成長します。自生地では、1年間に(10〜20㎝)程度伸びることが観察されていて、平均的な葉幅は1.5m、長さは3.7mと言われています。ただし、研究者による実測データでは、枯れた部分を含めて8.8mもあったようです。
単純に、葉っぱの成長から寿命推定すると、1年間に成長する葉の長さと幅を観察して、算出する方法があります。但し、実際には次のようなことから難しいでしょう。
- 葉っぱの生長速度は天候や水分量で変動する
- 植物の葉を食べてしまう動物もいるため、葉っぱの長さだけでは判定できない
そのため、ウェルウィッチアの成長速度から寿命推定するのは困難と言わざるを得ません。
実際には、もっと良い方法で推定しているのかもしれませんが、調べられませんでした。
3.まとめ
「ウェルウィッチア」は、異色の植物で、最初に芽を出したときの2枚の葉だけが際限なく大きく成長します。
生涯にわたって、2枚だけの葉しかつけない理由は、ウェルウィッチアの根本に分裂組織があるためでした。
また、養分の少ない乾燥した砂漠に生息しているのに、信じられない程の長寿命と言われています。
奇妙な姿だけでなく、まだまだ分からないことが多い植物です。