ゴキブリは、3億年以上も地球に生息し続けている強者です。殺虫剤の毒性を克服する耐性を持ち、糞の中のフェロモンで仲間を集め、大家族で暮らしています。ゴキブリを減少するには、キッチン周りの水分と、糞の除去は、必須の対策になることでしょう。
1.ゴキブリを1匹見たら100匹もいるの?
ゴキブリは、「卵鞘(らんしょう)」という殻の中に複数の卵を産み、大家族で暮らしています。
ゴキブリの種類によっても違いますが、卵鞘(らんしょう)の中には、卵が2列に並んでいて、10数個から48個ほど(平均30個程度)あります。卵は、20日〜40日程で幼虫になります。
これらのことから、ゴキブリを1匹発見したら、大家族が潜んでいると考えた方が良さそうです。100匹という数値は、巣の規模や、ゴキブリの種類にもよっても変わりますが、間違いとは言い切れないでしょう。
ゴキブリとはどんな生物なのかを詳しく紹介します。
2.ゴキブリとはどんな生物なの?
ゴキブリは、焦げ茶色で、ギトギト光っていて嫌われています。決して人を襲うことはしませんが、長いヒゲと、気持ち悪い体色、そしてすばしっこさなどから嫌われているのでしょう。
ゴキブリは、3億年も地球に生息していて、生きている化石とも言われている昆虫です。地球上には、4,000種類ものゴキブリがいますが、人の家に入るのは数%程と言われています。
2-1.ゴキブリの生態
次に、日本の家屋に生息するゴキブリを中心に生態を調べてみました。
2-1-1.食べ物
ゴキブリの食べ物は、雑食性のため何でも食べてしまいます。特に好む食べ物は、デンプン・油脂・肉類・チーズですが、固いものよりも柔らかいものを好みます。
ゴキブリは、水がないと衰弱します。そのため、ゴキブリを減らすには、キッチン周りに水を残さないことがポイントになるでしょう。
2-1-2.臭覚
ゴキブリは、仲間が出しているフェロモンを触覚が感知する臭いで感じています。食べ物も臭いで見つけますが、フェロモンを感じ取れる範囲に比べると狭い範囲になります。食べ物を臭いで見つけられるのは、4〜5立方メートルと言われています。
尚、ゴキブリの糞には仲間を集めるフェロモン成分があって、その効果は1年以上も持つことが分っています。
2-1-3.特別な耐性力
ゴキブリは、特別な耐性力を持っていて、同じ殺虫剤を使用し続けると耐性ができてしまいます。そのため、効果を持続させるには、複数の殺虫剤を併用するのが良いとされています。
ゴキブリの耐性力は、地球上に3億年も生息し続けた理由の1つかもしれません。
2-1-4.卵
ゴキブリが産卵すると、「卵鞘(らんしょう)」という殻の中に複数の卵を産みます。「卵鞘(らんしょう)」は、鉄道の1両の客車のような形をしていて、その中に卵を包み込むようにして、乾燥や外敵から守っています。殺虫剤も効きません。
「卵鞘(らんしょう)」の中には、卵が2列に並んでいます。卵の数はゴキブリの種類によって異なりますが、10数個から48個ほど(平均30個程度)です。卵は、20日〜40日程で幼虫になります。
幼虫になったゴキブリは、不完全変態で成長するため、成虫のような翅(はね)はありませんが、小さい個体から大きな個体まで見られます。幼虫期間や成虫になってからの生存期間は、ゴキブリの種類で大きく異なります。
幼虫期間が短いものは、1ヶ月〜2.5ヶ月で、長いものは5ヶ月〜12ヶ月ほどです。
成虫期間は、3ヶ月程度のものから7ヶ月〜23ヶ月と長い種類までさまざまです。
2-1-5.ゴキブリの暮らし
ゴキブリは、数年間も家族で暮らします。
卵から幼虫が生まれると、子供に口移しでエサを与える種もいて、微笑ましいですが、ゴキブリは人に有害な菌類を体につけていることがあるので、注意しなければなりません。
3.ゴキブリが媒介する菌
ゴキブリが宿主になる細菌やウイルスはありませんが、ゴキブリは汚い所を移動するために体に菌類を付けてしまいます。
ゴキブリが体に付ける細菌類は、「サルモネラ菌」「黄色ブドウ球菌」「赤痢菌」「大腸菌」「腸チフス」などです。
4.まとめ
ゴキブリを1匹見たら100匹いるというのは本当でしょう。ゴキブリは、「卵鞘(らんしょう)」という殻の中に複数の卵を産んで大家族で暮らすからです。
ゴキブリは、糞の中に含まれるフェロモンで仲間を集め、一つの殺虫剤に慣れてしまうような耐性もあります。
3億年もの間、地球上に生存したゴキブリの凄さを見せつけられたような気分ですが、ゴキブリは水を必要としています。
キッチンでは、水切りをしっかりして、こまめに糞を清掃すれば、ゴキブリを減少できるでしょう。