鳥の色覚が人よりも優れている2つの理由

枝に止まっためじろ

鳥は、人よりも優れた色覚を持っています。人が見ると同色にしか見えない羽でも、微妙な色や柄の違いを識別できるからです。この記事では、鳥の色覚が人よりもすばらしい理由をまとめて、分かりやすく紹介しています。鳥の独特の世界に少しだけ触れられます。

鳥が見ている色の世界とは

人はフルカラーの視覚を持っているため、普段の生活では不自由を感じませんが、実は、全ての色を細かく識別していませんでした。

スズメ、ニワトリ、インコなどの鳥は、人が持っている色覚よりも優れています。人が同色だと思っている鳥の羽も、鳥が見ると、90%は違う色や柄として認識していると言われています。

鳥の色感覚を高めている2つの理由

鳥が優れた色感覚を持っている訳には、2つの理由があります。

理由1:錐体細胞の数の違い

鳥や人は色を見分ける時、眼の錐体細胞(すいたいさいぼう)内にある視物質によって感じています。

視物質は、物質ごとに感応する波長が異なっていて種類が多いほど多くの色を識別できるものです。

現代人が持っている三原色を作る錐体細胞は、青・緑・赤の3種類ですが、鳥は、青・緑・赤に「紫」を加えた4種類の錐体細胞を持っています。そのため、鳥は人よりも色の識別ができるのです。

人と鳥で錐体細胞数が異なる理由

古くは、鳥類と同じように人などの哺乳類も4つの錐体細胞をもっていましたが、哺乳類は暗闇でも見えるように進化する道を選びました。この時、錐体細胞は半分減って、2つになったのです。

《多くの哺乳類が2種類の錐体細胞しか持っていない理由》
哺乳類の多くは夜行性のため、色の識別よりも暗闇でも対象物を見ることができるように、視細胞のバランスを変えました。この時、4つの錐体細胞は、2つになったと言われています。

人が獲得した3つ目の錐体細胞

人は、夜行性だった頃、肉食獣からの危険を避けるために樹上生活をしていました。ところが、日中も活動するようになると、色の識別ができないと、熟した果実を確認することもできません。

人は、進化の過程で重なっていた緑と赤の感度曲線を分離して、2つに分けることに成功しました。1つだった赤と緑を分離させることで、二原色を三原色にしたのです。こうして色を見分けることができるようになったと言われています。

これに対して鳥類や魚類などの脊椎動物の眼は、最初から紫を加えた四原色でした。

人と鳥で錐体細胞数が異なる理由は、昼行性の鳥と、元々は夜行性であった人の生活環境の違いが影響していたのです。

人は、後に三原色の錐体細胞を得たことで色を見分けることができるようになりましたが、元来、哺乳類型の錐体細胞で作られていることから、鳥のように優れた色の識別はできないのでしょう。

理由2:錐体細胞内の油滴による効果

鳥が人よりも色覚が高い2つ目の理由は、鳥の錐体細胞には、油滴(ゆてき)という色のついた油球があるからです。

油滴の働き

油滴は、赤・黄・緑・透明などの色に分けられます。このため、錐体細胞に入ってきた光の波長を選別(フィルター)することができます。

油滴は、フィルターとして働くことで細胞の感度を高めて色覚に磨きをかけていたのです。

また、油滴は球形のため、集光力の優れた凸レンズの機能も持っていると推測されています。

《油滴は哺乳類には無かったの?》
油滴は、遠い祖先の哺乳類にも備わっていましたが、哺乳類は錐体細胞の数を減らした頃に失なったと考えられています。

鳥類の油滴は、両生類が錐体細胞内に作り出して、爬虫類(はちゅうるい)や鳥類に受け継いだのでしょう。

まとめ

鳥の眼が人よりも優れていることは想像していましたが、色を細かく識別できるとは知りませんでした。

鳥の眼の色覚が人よりもすごいのは、錐体細胞の数の違いと、錐体細胞内の油滴というフィルターを持っているからでした。

人が属している哺乳類は、元々夜行性が多かったことから、進化の過程で、暗闇でも敵や餌を識別できる方を重視して、色覚を捨てざるをえなかったのでしょう。

鳥の色覚は人よりも優れていて、紫外線をみることもできます。そのため、人から見ると同色にしか見えない鳥の羽も、微妙な色や柄の違いがあって、鳥たちは違う羽の色をした相手として識別しています。

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