昆虫・虫

小さなハエを捕まえられないのは何故だろう?

ハエの複眼

部屋の中をぶんぶんと飛び回るハエには、イライラさせられます。昆虫の脳は小さいのに、簡単には捕まえられません。この記事では、小さなハエが持っている複眼の働きを中心に、ハエの素晴らしい能力をまとめています。ハエを捕まえられない理由も判ってスッキリするでしょう。

ハエにイライラさせられる理由

ハエは、部屋の中央で円を描くように飛び回っていても、簡単に捕まえることは出来ません。小さなハエが部屋にいると、人はいらいらします。

追い払っても、しつこく同じ場所に舞い降りる。しかもハエは汚物を好むため、ハエの脚には病原菌が付いていそうです。

汚いハエがまとわりついてきて、捕まえられないだけでなく、追い払うこともできないので人はいらつくのでしょう。

冷静に考えてみると、ハエの脳は小さいのに、何故、ハエは人に捕まえることが出来ないのでしょう。

ハエは、翅を1秒間に300回も羽ばたかせることが出来るからでしょうか? それとも、ハエは特別、視力が良いのでしょうか?

複眼の実力

イエバエの複眼は、凡そ6,000個の個眼で構成されています。左右2つあるので、両眼で12,000個もあります。

ただし、複眼を作る個眼は一定の方向からの光だけを受け取れるため、隣り合う個眼は、少しだけ角度の違う方向からの光を見ていることになります。

12,000個もの個眼は、多いと感じられますが、デジタルカメラの画素数と同じような働きの場合、昆虫の複眼は解像度が低くて、粗い像しか見えていないことになります。

デジカメやスマホのカメラの画素数は、貧弱なものでも500万画素数以上です。デジカメに比較すると判るように、ハエは極めて粗い像をみて素早く動いていたのです。

イエバエの複眼が人の眼よりも優れている点

人の眼は、左右とも正面に向いていて、1枚レンズのため、狭い視野です。最高でも180度でしょう。それに比べて複眼は丸く膨らんだ半球状のため、後方からの視野もキャッチ可能なほど広いことが判ります。

イトトンボの複眼は、360度カバーすると言われています。イエバエの複眼は、イトトンボよりも狭いですが、人に比べれば相当優位でしょう。

視野が広ければ、後方からの敵も察知できるため、事前に回避行動をとることが可能です。

ハエの視覚の素晴らしい特徴

昆虫の複眼は、解像度が低いですが、左右とも膨らんだ半球状のため、視野角が広く、後方からくる敵でも察知できるでしょう。

但し、ハエやハチの視覚で最も優れた特徴は、時間分解能が高いことだと言われています。

時間分解能とは?

時間分解能は、1秒間に生じる明暗の変化を見分ける能力のことです。専門家は、「ちらつき融合頻度」と呼んでいます。

  1. 人の「ちらつき融合頻度」は、15ヘルツ〜60ヘルツ
  2. ハエの「ちらつき融合頻度」は、約150ヘルツ

つまり、ハエは人が感じることの出来ない明暗の変化を見ることができたのです。別の言い方をすると、人には素早い動きでもハエには、ゆっくり動くように見えるでしょう。

以上を総合すると人がハエを捕まえられない理由は、次のように考えられます。

ハエは、後方からの敵も察知できるだけでなく、人の眼よりも対象物の動きをゆっくり感じることができます。ハエは、素晴らしい眼と、1秒間に300回も羽ばたくことのできる翅を使って、人の攻撃を瞬間的にかわしていたのでしょう。

まとめ

小さなハエは、素晴らしい能力を持っていました。

  1. 1秒間に300回も羽ばたくことのできる翅で、アクロバット飛行を実現しています。
  2. 後方からの敵の動きを察知するだけでなく、敵の動きをスローモーション風に見ることもできます。

いまいましいハエを捕まえられない理由が分かりました。

このような小さな昆虫の動きの研究は、いつの日か人の役に立つ製品につながるのでしょう。将来が楽しみです。

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Nature Observationのサイトは2名で運営しています。一人目は写真撮影と白鳥が好きで日本全国を車で飛び回っています。最近は、無料ブログを作って楽しんでいるようです。二人目は、昆虫好きですが、写真は素人、白鳥や花の本を読んで知識は増えてきました。最近は、主にデジタル関連の、判っていそうで判りにくい内容をズバッと紹介するサイトも手掛けています。二人とも趣味の世界を謳歌している中高年のおじさんです。
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