トマトを好きな人は多いでしょうが、野菜なのか・果物なのか? と言われても考えてしまいそうです。また、トマトは水分の少ないアンデスが自生地のため、水分は少ない方が良いと考えられています。この記事では、トマトについて分かりやすく紹介しています。
トマトは野菜なのか果物なのか?
トマトは、果物のように見えますが、野菜の分類で扱われています。トマトが野菜なのか、果物なのか?、については大抵の人が疑問に思うことでしょう。
実は、アメリカでも19世紀末ごろに、トマトは野菜か・果物か?
で、何と裁判が行われています。
果物なら税金はかかりませんが、当時のアメリカでは、野菜を輸入すると関税がかかるため、輸入業者と国との間で訴訟(そしょう)が起きたのです。
この判決結果は気になりますよね!
判決結果
米国の裁判の結果は次のようなものでした。裁判官は、植物学的な特徴なども調べた上で結論を出したのでしょうが、一般人に判りやすい表現で簡潔明瞭に言い切っています。
- 判決結果・・・トマトは野菜
- 判決理由・・・トマトは果樹園ではなく、野菜畑で育てられるから
- 判決理由の補足・・・トマトは食後のデザートにはならない
話は変わりますが、トマトの原種は、水分の少ないアンデスの高地が自生地です。そのため、できるだけ水分を与えないで育てた方が美味しく育つそうです。本当なのでしょうか?
世界一大きく育てたトマトの株
北海道の農業・食に関するテーマパークの「えこりん村」で、温室内でトマトを水耕栽培(種をまいてから1年間)したところ、トマトの1株が26坪に広がって育っています。
これは、2013年11月のことで、世界一と認定されています。
前年の2012年には同テーマパークの水耕栽培で、トマト1株から17,402個ものトマトが収穫されています。
この水耕栽培には特殊な種や養分などは使われていないそうです。(水耕栽培ですから土は使っていません)
トマトには、必要な光や温度が与えられて、根を発育させられる環境があれば、ここまで成長する能力が備わっていると考えてよさそうです。
ちなみに通常の畑や温室で栽培した場合は、トマト1粒の種から育ったものの収穫量の記録は、1,355個でした。どうやら、水耕栽培は、トマトの収穫能力を10倍以上にしてくれるようです。
水耕栽培した時の味については、ふれられていませんでしたが、トマトの価値は色に現れると言われるので、想像では水耕栽培のトマトも畑で収穫したトマトと同等なのでしょう。
では、トマトが色づく理由は何でしょうか?
トマトが真っ赤に色づく理由
トマトの実が真っ赤になるのは、有害な紫外線から、カロチンやリコピンという(抗酸化物質)の色素で実を守っているからです。
紫外線をあびた植物内では、有害な活性酸素が発生します。トマトの果実も同様ですが、カロチンやリコピンを果実の皮や果肉に多く含んでいるため活性酸素を消去するように働きます。
トマトの果実は、紫外線を多く浴びれば浴びる程、カロチンやリコピンを作って、真っ赤に色づきます。
以上の理屈なら、沢山収穫できる水耕栽培のトマトも、真っ赤に実れば、カロチンやリコピンが入っていることでしょう。
まとめ
米国の裁判の結果では、トマトは野菜です。
トマトは、できるだけ水分を与えないで育てた方が美味しく育つと言われていますが、水耕栽培で育てた結果では、世界一に成長しています。
水耕栽培のトマトも真っ赤になるため、活性酸素を防いでくれる、カロチンやリコピンは入っているのでしょう。
最近の地球環境の変化を考えると、水耕栽培の技術の進展に期待が膨らみます。