白鳥

衛星による渡り鳥の飛行ルートの調査方法

人工衛星

渡り鳥の飛行ルートの調査方法には幾つかの方法があります。近年行われている衛星を用いる方法では、渡り鳥の飛行ルートまで判るようになりました。記事では、衛星を用いたアルゴスシステムと、GPSシステムによる飛行ルートの調査方法を紹介しています。

渡り鳥の飛行ルートの調査方法

渡り鳥は、長距離を飛ぶので、人が追いかけて、どのルートで飛ぶのかを確かめることはできません。そのため、鳥を捕獲して認識番号などをつけて放鳥する方法が主流でした。

標識をつける方法では、鳥が飛んで行った先で、認識番号を確認することで、どこから来たのかが判ります。

但し、認識番号を付けた人の国籍と、鳥を捕獲して認識番号を確認する人は、国籍も違うなど、多くの壁があります。さらに、飛行ルートの細かい情報等は判りません。

そのため、近年では、地球を周回している衛星を使った方法で「渡り」を確認する方法も行われています。この衛星を使った調査によって、はじめて渡鳥の飛行ルートが正確に得られるようになりました。

但し、衛星追跡でも、対象の鳥には衛星用の送信機をつけなければなりません。

衛星による追跡調査方法

衛星追跡の方法は、大きく2種類の方法があります。

アルゴスシステムによる方法

アルゴスシステムによる方法は、米国の気象衛星NOAAと欧州連合の地球観測衛星METOP等を使って行います。これらの衛星は、およそ800キロメートル上空の極軌道を、100分間に1周の速さでまわっています。

鳥につけられた送信機から送られた信号(400MHz帯の電波)は、衛星にあるアルゴス受信機でキャッチされます。キャッチした信号は、周波数を測って、受信時刻やデータとともに地上の受信局に送られます。

地上局では、その情報をフランス等にある世界情報処理センターに転送します。世界情報処理センターでは、受信した内容を位置情報などに変換して、インターネット等を通じて研究者のもとに送信します。

アルゴスシステム方式は、衛星が送信機の上空を通過(10分程)する間に行われるため、受信する電波の回数は、毎回異なります。そのため、精度誤差は大きいですが、数千キロメートル以上も移動する渡り鳥の飛行ルートの調査には、殆ど影響しません。

費用は、衛星使用量として、「1500〜2000円/日程度」発生します。送信頻度は10日に一度程でよいため、多額の費用はかかりません。

送信機の電源が太陽電池方式なら、通常のバッテリーが数ヶ月から1年程度の寿命に対して、数年間も使えます。

GPSシステムによる方法

GPS(Global Positioning System)は、全地球測位システムを利用したものです。衛星からの電波を受信して位置を測定しています。測定誤差は、数十メートル以内と正確です。

このため、鳥につけられる装置は、受信機です。受信機に蓄積された情報は、鳥を捕まえて受信機を取り外すか、又は、鳥に近づいて通信で情報を取り出さなければなりません。

GPSによる位置測定は三角測量の原理で行います。位置が判っている衛星(3〜4個)から発信された電波が鳥の受信機に届くまでの時間を測定して、鳥の位置をもとめています。

まとめ

調査の為に捕獲される鳥は大きなストレスを受けます。衛生による調査でも、調査対象の鳥は、その後も送信機をずっと装着して過ごさなければなりません。

私は、人間ドックで心電図に異常があったため、24時間モニターする再検査をしたことがあります。ちょっとした装置を胸部につけて、1日生活をしました。たった1日でしたが、負担は大きく、かなりのストレスでした。

鳥に付ける送信機は、装着具を含めて体重の4%以内ですが、装置を取り付けられた鳥は、かなりのストレスを感じているでしょう。

そのため、衛星を使って飛行ルートを求める方法も鳥にとっては、大きな負担でしょう。今後、技術の進歩とともに鳥の負担も軽減されるでしょう。

例えば、飛ぶ鳥に追尾するロボット鳥のようなもので調査できるようになると良いですね。

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