タマゴは大好きですが、構造は知りませんでした。馴染の深いニワトリのタマゴを例に紹介していますが、鳥のタマゴの一般的な構造と考えてよいでしょう。タマゴには様々な工夫が盛り込まれています。記事では、鳥のタマゴの構造の概略を紹介しています。
タマゴの内部はどうなっているの?
ニワトリは、24時間〜25時間の間隔でタマゴを産んで、1年間に300個ほども産卵します。日本の卵は生産者の努力と、ニワトリが毎日タマゴを産んでくれるおかげで、毎朝食べられるのでしょう。
但し、毎日卵を食べていても、構造を知りませんでした。
調べた結果を、次に紹介します。
タマゴの構造
卵は、通気性のある石灰質の殻(から)で覆われています。殻の厚さは、0.3mm前後で、気孔と呼ばれる穴があります。気孔は、タマゴが呼吸するためのものです。1個のタマゴには約1万個(7,000〜17,000個)の気孔があります。
殻の内側には、卵殻膜(らんかくまく)という薄い膜が付いています。
殻にある穴(気孔)は、胚で必要な酸素を取り入れて、内部で発生した炭酸ガスを外に出す役目をしています。
殻の内側には、透明の白身「卵白(らんぱく)」と、その中央部に黄身「卵黄(らんおう)」があります。卵黄の上には雛(ひな)のもととなる「胚盤(はいばん)」があります。
「カラザ」は卵黄に付着して、卵黄と胚盤を殻の中央部に保つ役目をしています。
先ずは、外側の殻周辺から見ていきます。
殻の周辺構造
タマゴの殻(から)は、タマゴを保護する役目をしています。主な素材は炭酸カルシウムです。
お店で販売されているタマゴの殻の表面には、洗浄されて残っていませんが、産卵直後の殻の表面にはクチクラという膜があってザラザラしています。クチクラは微生物の侵入を防いでいます。
殻の内側には厚さ0.07mmほどの網目構造で、たんぱく質素材の卵殻膜(らんかくまく)があります。厳密に言うと、卵殻膜は「外卵殻膜」と「内卵殻膜」に分けられます。
卵殻膜は殻と一体になってタマゴを保護しています。主に優れた保湿性を持っていて、乾燥や微生物から守る役目をしています。
素材の異なる卵殻と卵殻膜が合わさることで、タマゴの外側からは割れにくく、ヒナが内側から突くと力が一点に集中して割れやすくなっています。
《気質》
殻の内側には、「気質」という空気の部屋があります。「気質」は楕円形の卵の、とがっていない方(少し扁平の部分)の付近にあります。この空気は、排卵後に殻を通った空気がたまったものです。
ニワトリの体温は41℃と高いため、タマゴが産まれると内部が収縮して、卵殻と卵殻膜の間に空気が溜まります。これが「気質」ができる理由です。
卵白の構造
卵白は、ねじれたヒモ状の「カラザ」、「外水様卵白」、「濃厚卵白」、「内水様卵白」で構成されています。卵白の90%は水分で、残りはタンパク質の成分で作られています。
「カラザ」は、水分の少ない卵白でできています。カラザは、殻まで繋がっていて、卵黄の位置を保つ働きをしています。
「卵白」は、殻の内側と黄身の周囲にある水のような成分の「外水様卵白」と、一般に「白身」と言われているゼリー状の「濃厚卵白」で構成されています。
卵黄の構造
卵黄は、タンパク質や脂肪などの成分で作られ、中心に「ラテブラ」があります。中心から円を描くように色濃度の違う層でできています。
卵黄は、0.01mm厚の「卵黄膜」に覆われています。
「胚盤」は卵黄の上にあって、分裂して胚(ヒナの元)になります。カラザの働きで常に上側に保たれています。
まとめ
ニワトリのタマゴの構造を紹介してきましたが、これは一般的な鳥のタマゴの構造と考えて良いでしょう。
タマゴは毎日のように食べていて、構造の意味を考えたことはありませんが、調べてみると工夫に満ち溢れていました。
今回のタマゴの構造は、概略です。それぞれのパーツの意味を詳しく調べたら、さらに紹介する予定です。