チバニアンは、地球の磁場が反転した証拠です。記事では、地球が巨大な磁石だと言われる有力な推測メカニズムを紹介しています。壮大な宇宙に想いをめぐらせると、普段の細かいことは、どうでもよくなります。たまには、そんなひと時をお過ごしください。
チバニアンは、磁場が反転した証拠の地層
千葉県市原市には、地球の磁場が反転した証拠になるチバニアン(地層)があります。
チバニアンは、国際地質科学連合に、国際標準となる基準地として指定された地層です。チバニアンは、約77万年前の地質の境界を示しています。
地球には北極と南極があって、磁石も決まった方向を指します。これは、地球に磁力があるからです。
惑星が磁力(磁場)を持つには、ある程度条件がそろわないとできません。地球に似ている火星でさえ、現在は磁場をもっていません。
地球の磁場については当たり前のことと捉えていて、考えたこともありませんでしたが、これを機会に調べました。
尚、鎌田浩毅(かまたひろき)著の地球の歴史(中)や朝日新聞記事等から専門的な知見などを拝読させて頂きました。これらの内容から、わかり易い表現で説明を試みています。
地球が磁石になる理由
地球が磁石になる理由は、古くから研究されていますが、確実な証拠は見つかっていません。但し、地質学などの研究者は、地球が磁場を持つ仕組みを次のように考えています。
地球が磁場を持つ仕組み(予測例)
地球が磁場を持つ仕組みは、次のように予測されています。
- 地球は、中心から内核、外核、マントル、プレート、それからプレート上の海や陸地で構成されています。
- 内核は6,000℃と高温の個体です。そして、その上の5,000~6,000℃の液体の層があります。さらに外核の最上部層のマントル(個体)の温度は、2,000~3,000℃と言われています。
外核にある5,000~6,000℃と言われる液体の層は、温度差の大きな層に挟まれています。その為、絶えず対流しています。(空気の場合は、地上付近の暖かな空気は上昇して、上空で冷やされると下降します、これと同じです)
さらに、地球は自転しているので、外核の対流も自転の影響を受けています。
このような影響を受けて対流を起こす外核は、金属物質です。そのため対流すると、電流が流れます。そして、電流が流れると、電磁誘導の法則で磁場を生じます。
こうして、地球は巨大な磁石になります。(2018年3月時点の予測例)
尚、対流現象を実際に見ることはできません。但し、スーパーコンピューターでシミュレーションした結果、外核は、薄いシート状の対流構造をしていることが判ってきました。(このことは、上記予測の根拠にもなっています。)
チバニアンで見られる地磁気の反転が起きる理由
チバニアンでは、泥の中に含まれている磁鉄鉱という鉱物が堆積した時の磁場を保っていました。
チバニアンの磁鉄鉱の磁場を測定した結果、次のことが確認されています。
チバニアンでは、トータル57メートルの地磁気の反転層が確認されています。
地球の歴史上は、地磁気の反転は360万年間に少なくとも11回は反転したと考えられています。但し、地磁気が反転する理由は、分かっていません。
地磁気の反転メカニズム
地磁気の反転メカニズムは、まだ判っていませんが、次のように、推測されています。
『地球への何らかの刺激で、外核に流れる対流の一部が逆流すると、その影響で外核全体の逆流につながります。この時に、地磁気が反転したものと考えられています。』
但し、この説は、仮定の仮定を前提にしています。まだ、何も分かっていないと考えて良いでしょう。
まとめ
地球が大きな磁石になって地磁気を持つ理由は、明確ではありません。専門家による予測では、地球内部の液体の金属層(外核)が対流するため、地磁気が生じていると考えられています。
地球の磁場は、生物の発生に大きな影響を与えていると言われています。さらなる研究の進展に期待しましょう。