鳥は頭脳明晰と言われています。しかし、犬のように笑っている表情で飼い主をよろこばせることはしません。鳥類は、何か特別な事情で顔の表情を作れなかったのでしょうか。記事では、鳥類が無表情の理由をわかり易くまとめています。
飼い主と仲良しでも表情を変えない鳥類
ブンチョウやインコなどは、とても人懐こくて可愛い小鳥です。但し、犬のように笑っている顔をすることはありません。
小鳥にも喜んでいる顔や怒っている顔ができたら、もっと小鳥ファンは増えるでしょう。
鳥類の顔はどんな時でも無表情です。何か理由でもあるのでしょうか?
鳥類の特殊な事情
鳥類は、空を飛ぶために体を軽量化しています。骨は空洞でスカスカ状態、重い歯は軽いクチバシに変えました。また、食べたものは直ぐに排泄しています。
ただし、飛行するには軽量化だけでなく優れた視力と素晴らしい頭脳が必要です。空中から見た視界を素早く判断して行動しなければならないからです。
そのため、鳥の小さな頭の中には、脳と目の機能がびっしり詰まっています。
鳥は、少しでも頭部の容積を確保するため、脳を保護する頭蓋骨でさえも薄くしています。飛行するためには、軽量化と優れた脳を確保しなければならないからです。
そのため、筋肉はできるだけ省略されます。筋肉は重いからです。
鳥類が顔の表情を変えない理由
鳥類は、飛行するために、強力な視力と優れた脳が必要ですが、軽量化も必須です。
そのため、体全体のバランスが崩れて、目と脳のある頭部は、極端に大きくなりました。顔の筋肉は省略されたのです。
顔の表情を作っているのは顔の筋肉です。犬は、飼い主に喜んでもらえるように必死で顔の筋肉を動かして笑っているような表情を作ることができます。鳥類には顔の表情を変化させる程の筋肉はありません。
鳥が顔の表情を変えないのは、軽量化のために顔の筋肉を節約したからです。そのため、どんなに頑張っても飼い主を喜ばせるような表情の変化を作り出すことができなかったのです。
まとめ
鳥は、表情を変えることがなかったため、誤解されて頭が悪いと考えられてきました。
ところが、道具を使うカラスや、飼い主と素晴らしい交流をするヨウムが紹介されると本当のことが分かってきたのです。
それ以来、鳥は頭が良いと言われるようになりました。
そうなると、頭脳明晰な鳥類が顔の表情を変えない理由は何だろう? と人は考えます。
この疑問に対して、鳥の構造を知っている鳥学者は、直ぐに回答しますが、一般の人にはわかりません。
鳥は、羽毛で覆われているせいなのかとも考えましたが、やはり犬や猫に比べて心の交流が薄いのではと思っていました。
現在ペットとして大人気の犬や猫は、顔の筋肉を動かして大好きな飼い主を喜ばせるために笑っているような顔を作ります。
小鳥には、余分な筋肉がないため、そんなことはできません。
そのために、笑い顔を作れませんでした。
鳥類は、飛行するために、体の構造まで変えてしまったからです。
でも、いつの日か、飼っている小鳥も大好きな飼い主の為に、笑い顔をするようになるかもしれません。生き物の進化は止まらないからです。