ヘッピリムシは、昆虫です。オナラのようなガスを噴射させて逃げるため、子どもたちの人気者です。このオナラは、100℃もの高温のガスだと知らされ、調べてみました。記事では、ヘッピリムシと呼ばれる昆虫の種類やオナラの作られ方などを紹介しています。
ヘッピリムシってどんな虫?
ヘッピリムシを捕まえようとすると、ブッというオナラのような音とともに臭い匂いを噴射するので、子どもたちには人気の虫です。
私が子供の頃は、正式名は知りませんでしたが、どうやらゴミムシの仲間のミイデラゴミムシのことです。
ミイデラゴミムシの大きさは、2㎝足らずの小さな昆虫で、土とゴミが混ざったような場所には必ずいると言ってもいいほどの、普通の虫です。ところが、昆虫図鑑でヘッピリムシのおならは、摂氏100℃にもなる凄いガスだと知りました。
ヘッピリムシと呼ばれる昆虫たち
ヘッピリムシと呼ばれる虫は、強烈な臭いを出す昆虫の俗称でした。ゴミムシ類のミイデラゴミムシや、ホソクビゴミムシだけと思っていましたが、カメムシ類もヘッピリムシと呼ばれていました。
おならの臭いは、敵に襲われた時の防御だけではありません。ヘッピリムシのガスは、オスとメスの誘因や、冬越しを仲間と過ごすためのフェロモンの役目もしていました。
オナラ(高温のガス)の作られ方
もしも、ミイデラゴミムシの体内に100℃もの高温のガスがあったら、この昆虫は生きていられません。きっと、何かの化学物質を、オナラとして噴出する直前に化学反応させているのでしょう。
図鑑によると、ミイデラゴミムシの腹部には、ヒドロキノン(還元剤)と過酸化水素(酸化剤)という化学物質の貯蔵袋があります。敵に襲われた時などの非常事態の場合には、これらを使って、爆発させていました。
非常事態時には、腹部先端部に、ヒドロキノンと過酸化水素を送り込んで、酸化還元反応の爆発を起こさせていたのです。
この爆発反応で、水蒸気と刺激臭の強いガス(ベンゾキノン)が作られます。ミイデラゴミムシは、このような手法で、摂氏100℃もの強烈なガス(オナラ)を噴射していました。
酸化還元反応とは?
酸化還元反応(さんかかんげんはんのう)は、酸化(物質が酸素と化合すること)と還元(酸素を失うこと)を合わせた言葉です。
つまり酸化還元反応とは、化学反応をする化合物間で、電子をあげたり、もらったりする反応のことです。
ヘッピリムシにオナラを噴出されるとどうなるの?
私は、子供の頃、ヘッピリムシの背中を押して、オナラをさせて遊んでいましたが、火傷をした覚えはありません。100℃のガス(オナラ)は、一瞬ですから、おそらく人間の指に噴射しても火傷はしないでしょう。
但し、小さなカエルがミイデラゴミムシを飲み込む時には、カエルの口の中の粘膜は高温にさらされて、強烈な刺激臭のガス(ベンゾキノン)の洗礼を受けるでしょう。(想像しただけでもカワイソウ)
まとめ
ミイデラゴミムシをPCで文字変換すると「三井寺ゴミムシ」になります。ところが、名前の由来は、三井寺円満院門跡(もんぜき)の鳥羽絵(とばえ)「放屁合戦」でした。
この鳥羽絵(とばえ)は、略画体の戯画(ぎが)のことで、江戸時代の漫画です。
名前の由来を見てもミイデラゴミムシは、当時から滑稽(こっけい)の対象だったようです。
それにしても化学反応を利用して、オナラを武器にするとは大した戦略家です。子供の頃は、ただの遊びの対象でしたが、ヘッピリムシに対する印象は、大きく変わりました。