地球は大きな磁石という証拠

方位磁石 チバニアン・地磁気
方位磁石

地球には磁石の性質があります。この記事では、地球が磁石だという証拠や、発見の背景、発見者などについて紹介しています。但し、地球は当初考えていたような永久磁石ではありません。地球内部は、超高温ですが、永久磁石は、600℃程で消失するからです。

地球が磁石だという証拠

今では地球が巨大な磁石であることに異論を唱える人は少ないですが、何故地球が磁石だと考えるようになったのでしょう。

地球が磁石の性質をもっていることの発見

地球に磁場(地磁気)があることは、1,000年前の中国では知られていました。盆に水を張って、薄くて軽い棒磁石を浮かべると常に磁石の針が南を指していることが判っていたからです。

中国では、この性質を利用した、指南針と呼ばれる方位磁石も作られていました。

中国の発見は、アラビアを経由してヨーロッパにもたらされ、磁石の性質を利用した羅針盤が開発されています。

羅針盤は、15世紀の大航海時代には、船を安全に航行するために無くてはならないものでした。

地球が磁石だと証明した人

大航海時代になって船による探検や貿易が広がると、地球上の様々な地点で、磁場(地磁気)が測定されるようになりました。

磁場の測定データを分析すると、地図上の北と方位磁石の針が指す北とは少しだけずれています。そして、場所による違いも確認されました。このずれは偏角と言われるものです。
また、北を指している針の先は少しだけ下を向くことも確認されました。針の先が下を向くずれは、伏角(ふっかく)です。

これらのずれである。偏角と伏角(ふっかく)の発見は、地球の中に巨大な棒磁石があることの発見につながります。
イギリス人の医師(ウィリアム・ギルバート)は、これらのデータを分析しました。そして、1,600年に出版した、磁石論の中で、地球は磁場に貫かれていることを証明しています。

ギルバート医師による磁場(地磁気)の説明は、基本事項をほぼ網羅(もうら)するほど素晴らしいものでした。

地球が磁石だと発見したギルバート医師の名前は、地磁気の磁気的な変化を表す目盛りに使われ、業績を讃えられています。

地球が磁石になることの不思議

地球は磁石だということが発見された16世紀には、地球は巨大な(永久)磁石のように考えられていました。

ただし、磁気(地磁気)を生み出している原因については、判っていません。

現在でも原因が分からない理由は、地球の内部温度が高温だからです。

地球の内部温度と永久磁石の性質

地球の中心(核)は、摂氏6,000℃を超えるほど高温で、表面に行くほど温度は下がります。

ただし、地球の表層の大陸プレートや、海洋プレートの直ぐ下にある上部マントルでさえ(1,500~2,000℃)と高温です。

しかし、永久磁石は高温に弱くて、摂氏600℃以上になると磁石の性質を失ってしまいます。

つまり、磁場(地磁気)は、永久磁石ではない、別の仕組みで磁石が作られていることになります。

現在では、ダイナモ理論が有力で、大型のコンピュータを使って解析が進められています。

尚、地球内部の構造や、地球の自転による影響など、直接観測することはできません。その為、コンピュータ解析は進んで、ほぼ間違いないだろうと言われるまでに進展しています。

但し、まだ想像を膨らませる余地はあるようです。

ダイナモ理論

ダイナモ理論とは、地球などの天体が、地中内部で流体運動をしているため、大きな磁場を作る働きを示したものです。

地球は、電気を伝える鉄成分を含んでいて高温で溶かされた地中内部は、流体運動をしています。地中内部は、電気を伝える鉄成分を含んでいます。その為、元々地球が持っていた磁場と相互作用を起こして、大きな磁場を作る働きをしていると考えられています。

まとめ

地球は、大きな磁石です。

地球上の生物は、磁石の働きのお陰で、有害な宇宙線などから守られていると言われています。

チバニアンは、地球の磁場が反転した証拠です。

チバニアンの痕跡から、地球の磁場が反転したことは、分かります。そして、磁場の反転は、繰り返されていて、反転の度に磁場が地球から消失したことを意味しています。

地球の磁場が消失すると大変なことが起こるかもしれません。

地球の磁場のことだけでなく、まだまだ分からない事ばかりで、知りたいことに溢れていますね。

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