アリが電子機器の中に入りたがる理由

アリの群 アリ
アリの群

かつて、アリは、電子機器に侵入して故障や誤動作を引き起こしていました。現在は、対策していますが、当時、アリの被害に遭遇した関係者は、原因究明に時間を要して、大変な対応をしています。記事では、アリが電子機器の中に入りたがる理由を紹介します。

アリは電子機器を壊してしまうの?

アリによってパソコンや時計が壊されることがありました。パソコンが壊された事例は、東南アジアで発生しています。パソコンのキーボードの中に大量のアリが入り込んで動かなくなったのです。

1985年頃の日本でも、アリが原因で鉄道に使われている信号機の故障が多発したことがあります。この時は、西日本を中心に列車の運行に大きな支障がでました。

《信号機の故障の原因》
線路脇に設置されている信号機を作動させる装置の中に、大量のアリが入り込んだことで信号機は故障しました。アリも、リレーの接点の間に挟まれて死んでいました。故障の原因は、アリがリレーの接点を塞いだことによる信号の導通不良です。

何故、アリは電子機器内に入りたがるのでしょうか?

アリが電子機器の中に入り込む理由

アリが電子機器の中に入り込む大きな原因は、二つあります。

一つ目の理由:油

アリが電子機器の中に入り込む一つ目の理由は、油が大好きだったからです。アリが電子機器内に入り込むのは、リレー等の機械的作動部に植物性の油が使われていたためです。

アリは、この油を食べるために侵入したのです。

信号機意外の実例

アリは、植物性の油を求めて様々な電子機器に侵入して故障させています。

  • 購入した新品の時計が動かなくなったため、メーカに新品と交換させたが、その翌日には再度動かなくなった。
  • 公衆電話が世の中にあふれていた頃、特定の場所に設置してある公衆電話は修理しても、直ぐに故障してしまうことがあった。

これらの事例を見ると、思わず笑ってしまいそうになります。でも、実際にアリの被害にあった人たちは翻弄(ほんろう)されて、大変な時を過ごしたことでしょう。

二つ目の理由:棲みやすい環境

アリが電子機器に集まるのは、好物の油を食べるためだけではありませんでした。

電子機器は、温度や湿度管理が厳正に守られていて、アリにとってはとても住みやすい環境でした。しかも電子機器のある、家の中は、外とは違って一年中適温です。

つまり、アリが、電子機器の中に入りたがる、二つ目の理由は、快適な環境だったからです。

家の中や、電子機器の周辺を偵察していたアリが、電子機器内を棲みやすいところと考えて、集団で引っ越して来たのでしょう。

アリ対策をして被害を防止した事例

つくば科学博の開催メンバーは、被害をもたらすアリの性質を知っていました。そのためアリ対策を徹底的に施して被害を未然に防いだと言われています。

つくば科学博は、技術の粋を集めた筑波研究学園都市の発足披露を兼ねて開催されたため、失敗は許されませんでした。

1985年当時の開催場所の周辺は、原野や畑に囲まれていて、多くのアリの生息域でした。

そのため、万一に備えて、アリ対策はしっかり実施されたのです。

まとめ

アリは、たびたび電子機器内に入り込んで重大な故障や誤動作を引き起こさせていました。

アリが、電子機器の故障や誤動作を発生させた時は、社会的影響が大きく、大問題になりました。但し、アリが電子機器内に入り込む理由もありました。

アリが電子機器の内部に入り込んでしまう理由は、2つです。

一つ目の理由は、アリは電子機器に使われている植物性の油が好物だったことです。

もう一つの理由は、電子機器内は温湿度管理がしっかりしていて、棲みやすかったからでしょう。

アリの性質を知っていた、つくば科学博の開催メンバーは、アリ対策を徹底的に施して被害を未然に防いだと言われています。

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