アリの群が最短ルートで行進する理由

アリの行列 アリ
アリの行列

アリの群は、概ね最短ルートで行進します。餌を探す時には、様々なルートですが、餌場をみつけて、群れで行進する時には、最短ルートです。何故、こんなことが出来るのでしょう。記事では、アリの群が、最短ルートで行進する理由を紹介しています。

アリの群が最短ルートで行進する理由

アリの行列は概ね、最短ルートで行進します。

アリの目は、大きくて目立ちますが、普段暮らしているコロニー内は暗いため、はっきりと物が見える程の視力はありません。

しかも、体も小さいし、働きアリは飛ぶことも出来ないので、離れた場所から、行き来するルートを見通すこともできません。

それにも関わらず、アリが群れで、最短ルート行進できるのは、次のような理由と考えられています。

  1. アリは、コロニーで集団生活をしていて、各々のアリの役目は決められています。餌を探すアリは、餌を見つけると、巣にいる仲間に餌の場所を伝えるために、いったん巣に戻ります。
  2. 餌のありかを、教えてもらった巣内のアリは、餌を巣に運ぶため、餌場に向かいます。最初は、巣への道標がないため、各々勝手のルートで戻ります。
  3. この時、巣と餌場を最短のルートで歩くアリは、短時間で往復できます。つまり、他のルートを歩くアリに比べて、多くの回数をこなせるので、最短ルートには、何度もアリが通行するようになります。
  4. この結果、最短ルート上には、アリの体から放出されるフェロモンが溜まっていきます。それとは逆に遠いルートの場合は、そこを通過する頻度が少ないためにフェロモンは揮発して薄くなります。
  5. フェロモンは、アリの道標です。アリは、フェロモンがあると、それを頼りに歩きます。やがて、多くのアリが、フェロモンが多く漂っている最短のルートに集まるようになるので、行列になります。

これが、アリの群が最短のルートで行進する理由と考えられています。

フェロモンとは?

同じコロニーにいるアリには、それぞれ役目が決められています。一部の働きアリは、餌を探すために、外を出歩きます。

その際、アリは、道に迷わないように、におい物質を出しています。このにおい物質がフェロモンです。

アリのフェロモンは、道標(みちしるべ)ですが、揮発性のため時間が経つと薄くなってしまいます。

アリの触覚の役目

アリには、臭い物質のフェロモン等を感じる大切なセンサーがあります。センサーは、頭に付いている、2本の触覚です。

アリは、2本の触覚を地面や物に触れながら歩きます。

アリは、絶えず2本の触覚を動かして石や地面、仲間のアリ等に触れています。このようにアリは、2本の触覚で、においを嗅いで、物に触れることで、相手を確認しています。

アリの視力は弱いからです。

触覚の能力

アリの頭部にある2本の触覚は、化学センサーと言われていて極めて発達しています。

  • アリの触覚(化学センサー)は、空気中に漂っている揮発性の化学物質(におい)を認識することができます。
  • アリの触覚は、においを認識するだけではありません。触覚で直接触れることで、空気中には漂わない化学物質(土、石、草、仲間、餌等)の確認もしています。

まとめ

アリの行列は、ほぼ最短距離をたどって目的地に向かいます。

この理由は、におい物質のフェロモンが揮発性のため、アリの往来が最も多くて、におい物質が残存する道に集約されるためでした。

アリの頭についている2本の触覚は、化学センサーと言われるものです。

この触覚(化学センサー)は、空気中に漂っている揮発性の化学物質(におい)を認識するだけではありません。触覚は、直接触れることで、土や、石、植物、食べ物、仲間の確認もします。

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