ヒメサスライアリは、小さなアリですが、熱帯雨林地域の他種のアリから恐れられています。ヒメサスライアリは、とても凶暴で、狙われたアリの巣は絶滅してしまうからです。この記事では、凶暴なヒメサスライアリが生息する意味について、推測しています。
グンタイアリの仲間
グンタイアリは、映画などにも登場する有名なアリです。大群のアリが移動しながら餌を求めてさまようため、小さな虫などはひとたまりもありません。
そんなグンタイアリは、熱帯雨林地域に生息していて、「サスライアリ亜科」、「グンタイアリ亜科」そして、「ヒメサスライアリ亜科」の3つの亜科に分けられます。
「サスライアリ亜科」は、アフリカに、「グンタイアリ亜科」は南北アメリカにいて、1.5㎝級と大型のアリですが、アジア地区の「ヒメサスライアリ亜科」の大きさは3mm~5mm程の小さなアリです。
「ヒメサスライアリ亜科」は、そんなに小さいアリなのかと、バカにしてしまいそうですが、「ヒメサスライアリ亜科」は、アリの世界では最もアリに恐れられているアリでした。
ヒメサスライアリが他のアリに恐れられる理由
ヒメサスライアリは、他のアリだけを襲います。
ヒメサスライアリが他のアリに恐れられている理由は、狙ったアリの巣に集団でなだれ込み、抵抗するアリは毒針で刺し殺して幼虫や蛹(さなぎ)は自分たちの食料や、幼虫の餌として連れ去るという、まるでギャングのような振舞をするからです。
ヒメサスライアリは、何故アリを専門に襲うのだろう?
本当に、ヒメサスライアリは想像しただけでも恐ろしいアリですが、雑食の生物として他の虫たちの頂点に君臨するアリ種は、信じられないほどの数がいます。
例えば、マレーシアの熱帯雨林では数100メートル四方に500種ものアリがいるほどです。(日本の場合は全国で300種もいません)
ヒメサスライアリに襲われたアリの巣は、壊滅してしまうために、元のアリがいなくなった巣には別の種類のアリが棲み始めます。
このようなことを考えると、ヒメサスライアリは、生態系のバランスをとるため重要な役目をはたしているのでしょう。
恐らく、小さな虫の世界では、頂点に君臨するアリが、増えすぎてしまったのです。そのため、アリがアリを襲うことになったのでしょう。
ヒメサスライアリは、アリが君臨する世界で、特定のアリだけが増殖しないように歯止め役を担っているのだと考えられます。
何故ヒメサスライアリが生息する地域のアリは撲滅しないの?
ヒメサスライアリは、日本の西表島にも1種いて、東南アジア全体では50種以上いると言われています。
アリを専門に捕食するヒメサスライアリがいる地域では、他のアリが撲滅してしまうのではないかと思いますが、実はヒメサスライアリの味の好みは、種ごと異なります。
そのため、ヒメサスライアリの種によって、襲うアリの種も決まっています。
どうやら、広い地域に生息している数の多いアリを捕食しているようです。ヒメサスライアリがいるおかげで、アリの生態系のバランスがとれています。
まとめ
ヒメサスライアリは、3〜5mm程の小さなアリですが、グンタイアリの仲間でした。しかも、他種のアリを襲って巣を壊滅させてしまうため、最も恐れられているアリでした。
ヒメサスライアリの役目は、熱帯雨林地域で頂点に君臨するアリの仲間が増えすぎたため、生態系のバランスをとる役目を担っているものと考えられています。