カブトムシの食べ物は樹液や果物の汁等と思っていましたが、何とタケノコを食べるカブトムシもいました。調べると、タケノコ以外にも「ヤシの木の茎」を食べるものや、「昆虫の幼虫」を食べるもの、もっとすごいのは「腐肉」を食べるカブトムシもいるそうです。
変なものを食べる異色のカブトムシ
カブトムシは、樹液を食べるものと思い込んでいましたが、カブトムシの専門書にはタケノコやヤシの木の茎を食べる種類や、昆虫の幼虫を食べるカブトムシ、さらに腐肉を食べるものまでいて驚かされました。
- タケノコを食べるカブトムシは、「ノコギリタテヅノカブト」と「ゴホンヅノカブト」の2種
- ヤシの木の茎を食べるカブトムシは、「コーカサスオオカブト」、「ヘラクレスオオカブト」、沖縄の「タイワンカブト」
- 昆虫の幼虫を食べるカブトムシは、「コカブトムシ」
- 腐肉を食べるカブトムシは、マダガスカルの「ヘクソドンの仲間」
普通のカブトムシが食べる樹液の成分
一般的な木の茎・葉・根などの器官を貫いている束状(そくじょう)の中には樹脂液が流れています。
カブトムシが食べる(飲む)樹脂液の成分は、木の種類によって違いますが、「アミノ酸」「糖類」「タンパク質」等の成分で作られたものです。
タケノコ汁の成分
タケノコ汁の成分には、たんぱく質、脂質、カルシウム、リン、カリウム、ビタミンCなどが含まれていました。このようにさまざまな栄養分が含まれていますが、糖分はありませんでした。
タケノコを食べるカブトムシの生活
タケノコを食べて竹林で生活しているカブトムシは、「ノコギリタテヅノカブト」と「ゴホンヅノカブト」です。このカブトムシは、ベネヅエラの高原にある細い竹(シノダケのような竹)の林で生活しています。
ノコギリタテヅノカブト
「ノコギリタテヅノカブト」の大きさは、長い前脚を除くと、日本のカブトムシとほぼ同じ大きさです。オスは、光沢のある茶色で、メスは黒色です。
「ノコギリタテヅノカブト」は、タケノコに飛んできて、竹に登る時には上向きですが、やがて体を反転させて生活します。タケノコを食べる時にも体を下向きでタケノコの柔らかい所にかじりつきます。
ゴホンヅノカブト
タイ北部には多くのカブトムシが生息していますが、「ゴホンヅノカブト」はその中の竹林(孟宗竹のような太い竹)の中に生息しています。
「ゴホンヅノカブト」のオスは、名前の通り5本の角をもっていて、全体的に光沢のある美しいカブトムシです。
背の翅(はね)は、オス、メスともにクリーム色をしています。ちなみに日本のカブトムシの翅は、こげ茶から黒色です。
「ゴホンヅノカブト」は、「ノコギリタテヅノカブト」と違い、身体を上向きにして竹に止まって生活していて、タケノコの柔らかい新芽を好んで食べます。
まとめ
確かに、タケノコの成分をみると豊富な栄養も入っているため、「ノコギリタテヅノカブト」や「ゴホンヅノカブト」は成長できるのでしょうが、糖分が入っていないタケノコだけで大丈夫なのでしょうか? このことはちょっと気になるため、確認出来たら掲載しようと思います。
恐らく、「ノコギリタテヅノカブト」や「ゴホンヅノカブト」は、他のカブトムシが食べない食材を選ぶことで過当競争を避けたのでしょう。