チョウは、綺麗で目立つ翅(はね)をひらひらさせて人々の目を楽しませてくれます。実際のところは分かりませんが、天敵の鳥から見ると、優雅に舞うチョウは、絶好の標的でしょう。それなのに何故、チョウは、美しい翅で目立つ必要があるのでしょう。
チョウは目立ちすぎじゃないの?
チョウは美しい翅(はね)を持っていて、人々の気持ちを和ませるように、ひらり・ひらりと優雅に飛びます。飛んでいる時にはとても目立ちます。
しかし、チョウを捕食する鳥には、きらびやかで派手なチョウは、早く飛べないので、楽に捕まえることのできる獲物にしか見えないでしょう。これは、私が見た時の印象です。
ただし、ひらひら飛ぶチョウの飛行は独特なために、鳥には簡単に捕まえられないのかもしれません。
しかも、哺乳類以外の生き物には紫外線が見えます。赤外線が見える生物もいます。
そのため、鳥や昆虫から見るのと、人間が見ている世界は、違うように見えているのかもしれません。
そんなことも考えてしまいます。でも、不思議です。チョウは、捕食者が多くて危険な自然界で暮らしているのに、なぜ目立つ必要があるのでしょうか?
チョウが美しい翅を持つ理由
マダラチョウ類というタテハチョウ科のチョウは、幼虫時代に毒のある植物を食べて体にため込んでいます。マダラチョウは、わざと色鮮やかな目立つ姿をして捕食者に毒を持っていることをアピールしています。
このように捕食者に対する警告色として、美しくして、目立つ翅を持つチョウの行動は理解できます。
もちろん、研究者は新しい観察結果やデータが出れば、何故そうなるのかを想定(仮定)して、それを実証しようと試みます。しかし、多くのチョウについては、目立つ姿をする理由が判っていません。
オスに比べてメスのチョウが地味の場合
「オスに比べてメスのチョウの翅が目立たない」というケースでは、次のようなことが想定されます。
- メスは産卵に専念するため、捕食者に判るようにオスを目立たせている(おとり論?)
- メスを獲得する手段として、オスは美しい翅を持っている(優性遺伝論?)
- オスは縄張り争いをするため、お互いに認識しやすくするために目立つ(目印論?)
「注.上記の(~論?)という名称は、私が勝手に記載したものです。」
研究者は、これらの想定を実証するため、他の観測データなどを総動員して確認します。但し、それでも実証するのは難しくて、人の憶測の域を超えられないようです。
但し「毒のあるチョウからの警告」説や、モンシロチョウの雌雄の区別可能説等は、確認されています。
モンシロチョウのオスは、紫外線を吸収して、メスは反射するため、雌雄の区別がつくことが、分かっています。
では、鳥の場合はどうでしょうか?
鳥も美しいオスに対して、質素なメスは多いです。その理由は「優位性のある子孫を残すために、オス同士が美しさで競っている」と説明されています。
これらは、定着していて、自然をテーマにしたTV番組などでも、その趣旨にそって説明されています。但し、個人的には「腑に落ちない」と思っています。
まだ、私の知識が追い付いていないのかもしれません。継続して調べます。
まとめ
チョウの美しい翅の理由を調べましたが、昆虫の研究者でも、確認できていないという見解があります。
このように、「まだ、究明されていない」と、はっきり言って頂くととてもすっきりします。
自然界の生き物の研究は進歩していますが、知りたいという人々の都合を優先して結論を急ぐ必要はないでしょう。
昆虫の姿や形の意味を、人間の尺度で理解したいという気持ちはありますが、判らないこともあります。本当は、まだ、分かっていないことが多いため、昆虫観察は楽しいのでしょう。