樹木の被害を増大させるカミキリムシとセンチュウの関係

ラミーカミキリ カミキリ
ラミーカミキリ

昆虫マニアには、大人気のカミキリムシも、樹木や果樹に被害をもたらす害虫です。特に、マツノマダラカミキリとセンチュウとの、生活サイクルが被害を増大させています。記事では、センチュウとマツノマダラカミキリの共生関係について紹介しています。

カミキリムシは酷い害虫

カミキリムシは、子どもに人気があって、身近な甲虫として種類が多く、カラフルなものから地味なものまで様々です。

そんなカミキリムシを好きな人は多いのですが、カミキリムシは樹木や果樹を枯らしてしまう酷い害虫です。

被害をもたらすカミキリムシと被害の内容

人の活動に損害を及ぼす生き物は害虫として扱われます。

昆虫好きには、大人気のカミキリムシも、果樹や、樹木、鑑賞用植物、伐採木などに穴を開けてしまう害虫です。生木に穴を開ければ枯れてしまうし、伐採木の商品価値も無くなるからです。

マツノマダラカミキリは、アカマツを枯らしてしまうセンチュウの中間宿主として知られています。

このマツノマダラカミキリとセンチュウとの関係を次に紹介します。

マツノマダラカミキリとセンチュウの関係

マツノマダラカミキリの幼虫は、夏の初めに松の樹木内で、さなぎになります。すると、小さなセンチュウがカミキリ虫の、さなぎの気門(呼吸するための孔)から気管内に入り込んでしまいます。

やがて、マツノマダラカミキリがさなぎから羽化して成虫になると、木の内部から外に出てきて健康な松の若い枝を食べ始めます。

この時、カミキリムシの体内にいたセンチュウも外に出てきます。但し、センチュウは、カミキリムシが食べた松の木に開けた噛み跡から松の木に侵入します。

こうして、松の木の内部に侵入したセンチュウは、6月上旬~9月にかけて、松の木の樹脂道や仮道管等を移動します。センチュウは、松の木の内部を移動しながら松の細胞の養分を食べて子孫を増やします。

こうして、数の増えたセンチュウによって、栄養分を摂取されるため、松の木は枯れてしまいます。

マツノマダラカミキリのメスは、センチュウ等によって枯れた松に飛来して産卵します。そこで孵化(ふか)したマツノマダラカミキリの幼虫は、松の樹皮下を食べて成長します。

これが、マツノマダカラカミキリとセンチュウの持ちつ持たれつの関係です。

カミキリムシは、センチュウに利用されているようにも見えます。ところが、よく考えるとセンチュウによって枯れた松が増えるため、カミキリムシの産卵場所も増えます。

やはり、マツノマダカラカミキリとセンチュウの関係は、共生関係です。

センチュウとは?

センチュウは、細長い糸状の体をした袋形動物です。センチュウの体長は、0.3mm〜1mm程の長さのものが多くて、無色透明のため、見つけるのも難しい生物です。

センチュウの体長は、ミリメートルサイズのものが多いです。センチュウの体は、細長い形状のため、松の木の数10ナノメートルと細い、樹脂道や仮道管等の中でも移動できます。

センチュウの種類は50万種とも1億種以上とも言われていて、海中や土中に生息しています。つまり、センチュウの実態は、あまり分かっていません。

まとめ

カミキリムシのマニアには、カラフルで見ごたえのあるカミキリムシですが、一般的には、樹木や果樹等を食い荒らす害虫です。

カミキリムシそのものも松の木を食い荒らす種もいる害虫です。但し、センチュウとカミキリムシの関係は、さらに被害を増大させていました。

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