古生代の巨大トンボ

古代ハス 昆虫・虫
古代ハス

巨大トンボの研究報道に触れると、心が踊ります。古生代の生物は、見ることはできませませんが、過去の時代に存在した恐竜や巨大昆虫のことを空想すると、夢の中にいるようです。地球の長い歴史は、忙しい現実の世界を忘れさせてくれます。

古生代巨大トンボの論文発表

巨大トンボの生態を研究しているフランス ソルボンヌ大学の研究グループは、古生代の巨大トンボの論文を発表しました。

論文を読むと次のようなことが書かれています。

巨大トンボには、360度を見回す大きな複眼と、獲物を捕獲する発達した前足と顎(あご)があります。そして、現在の猛禽類(もうきんるい)のように大空から舞い降りて獲物に襲いかかる狩りをしていました。

久しぶりに、古代の地球のことや巨大トンボのことを想像してしまいました。まるで、夢の世界です。

地球の地質年代

巨大トンボは、古い地球の歴史とリンクしているため、最初に大雑把な地球の地質年代について紹介しましょう。

地質年代と昆虫の祖先の年代

地質年代を大雑把にくくると、次のように分けられています。

  1. 先カンブリア時代(約40臆〜約5臆4,100万年前)
  2. 古生代(約5臆4,100万年前〜約2億5,190万年前)
  3. 中生代(約2億5,190万年前〜約6,600万年前)
  4. 新生代(約6,600万年前〜現在)

この中で、古代昆虫に関連する古生代は、次のように分類されています。

  1. カンブリア紀(約5臆4,100万年前〜約4億8,540万年前)
  2. オルドビス紀(約4億8,540万年前〜約4億4,380万年前)
  3. シルル紀(約4億4,380万年前〜約4億1,920万年前)
  4. デボン紀(約4億1,920万年前〜約3億5,890万年前)
  5. 石炭紀(約3億5,890万年前〜約2億9,890万年前)
  6. ペルム紀(約2億9,890万年前〜約2億5,190万年前)

このような地質年代の中で、生物が海から陸上に進出したのは、石炭紀です。石炭紀から、ペルム紀は、昆虫の祖先の節足動物が繁栄した時代です。

ただし、最も古い昆虫の祖先は、約4億8,000万年前に出現していました。そして、既に先カンブリア時代には節足動物の祖先は生まれていたと考えられています。

研究結果で報告された巨大トンボ

トンボは、肉食のため、とても強そうに見えます。その上、空をゆうゆうと飛ぶ姿などから、とても人気の昆虫です。

そんなトンボが、とても大きいと聞くとそれだけでワクワクしてしまいます。古代の最も巨大なトンボは、メガネウロプシス・ペルミアナと呼ばれるものです。メガネウロプシス・ペルミアナは、ペルム紀前期に生息していたと考えられています。

古代トンボの化石発見の歴史と研究状況

1880年にフランス中部(コメントリー)の炭鉱で、古代の巨大トンボの化石が発見されました。そして、その巨大トンボは1885年に、メガネウラと名付けられています。

メガネウラとは、トンボの翅(はね)に通っている、中空のスジを表す翅脈(しみゃく)を意味しています。

《古代トンボの化石発見の歴史》
フランスと同様、米国のカンザス州からオクラホマ州のペルム紀前期の地層からも古生代の巨大昆虫の化石が多数発見されています。

1937年にカンザス州エルモで発掘された化石は、片方の翅長が33㎝(全幅71㎝)もありました。このトンボの、全長は43㎝の巨大トンボでした。これは、1939年に、メガネウロプシス・ペルミアナと認定されています。

《古代トンボの研究状況》
古生代の巨大トンボの研究は、現在のトンボやカゲロウ、カワゲラと比較されています。そして、フランスで発見された、メガネウラと米国で発見された、メガネウロプシス・ペルミアナは混同されます。

そんな状態のため、巨大トンボの研究は、まだ祖先の分類などで議論が続けられています。

このような状況のため、まだ化石昆虫全体の分類も初期段階です。でも、発表された巨大トンボの論文は、忙殺されそうな現実社会から、古代ロマンの世界を呼び戻してくれます。

まとめ

古代と聞くだけで、何故か心がウキウキするのは私だけでしょうか。現実には見ることはできませんが、過去の時代に存在した恐竜や巨大昆虫のことを空想すると、夢の世界です。

実社会は、忙しくてそれどころじゃないと考える人も、たまには古代の世界にどっぷりつかってみてください。人の生きている時代は、瞬きのようなものと感じられるかもしれません。

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