シロアリは、木や、コンクリート、プラスチックまで食い荒らすため、嫌われていますが、将来役立ちそうな生き物です。シロアリの腸には、繊維質を分解する微生物がいます。微生物は、セルロースを分解して、植物由来の油生成に役立つことが期待されています。
シロアリとアリの違い
シロアリは、アリという名前ですが、アリではありません。次にその違いを整理します。
- シロアリは、幼虫の時から働きます。アリは成虫になってから働きます。
- アリは蛹(さなぎ)になりますが、シロアリには蛹の期間はありません。
- アリは、女王アリ以外もほとんどメスですが、シロアリのコロニー内にはオスとメスが、同じ数だけいます。
- アリは、動物や植物を食べますが、シロアリは腸に繊維質を分解する微生物がいて、主に朽ちた植物を食べます。
シロアリは何がすごいの?
シロアリは嫌われていますが、一部の微生物しかできない、難分解性のセルロースを分解できる能力を持っています。
セルロースの分解
シロアリの体内(消化器官)には、共生している微生物が棲んでいます。
この微生物のおかげで、シロアリだけでは消化できない木材も食べることができます。
シロアリが木材を食べる理由
シロアリの消化器官内にいる微生物が木材を消化すると、有機物(酢酸など)ができます。シロアリは、この有機物を栄養にするため、木材を食べています。
実は、シロアリの消化器官内で行われているセルロースの分解プロセスは、植物由来の油生成に役立つものとして注目されています。
シロアリには、もう一つ秀でた能力があります。シロアリの女王の寿命の長さと、産卵数の多さです。
シロアリの女王の寿命と産卵数は、昆虫界のNo1
シロアリの女王は、普通のシロアリの3倍ほどの大きさです(15mm)。女王の夫(王)は普通サイズですが、いっしょに王室に住んでいます。
女王が大きくなるのは、働きアリから十分な栄養をもらっているためですが、女王は生きている限り産卵し続けます。しかも長寿のため、1匹の女王で、50億個も産卵するそうです。
寿命は100年とも言われていますが、ちょっと信じ難いため、明確なデータを見つけたら紹介します。
まとめ
シロアリは、ゴキブリの仲間で、木や、コンクリート、プラスチックまで食い荒らすため、嫌われています。でも、何だか将来役立ちそうな生き物です。
シロアリとアリを比べると、さまざまな違いがあるため、見かけは似ていても違う生物です。
シロアリの最も注目されている点は、シロアリの腸には、繊維質を分解する微生物がいて、セルロースを分解していることです。
この分解プロセスは、植物由来の油生成に役立つものとして注目されています。シロアリは、人類に役立つ救世主になるかもしれません。