アカトンボと呼ばれるアキアカネの生涯

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アカトンボ

毎年、秋になるると、郷愁を感じさせられるアカトンボを、紹介しています。日本はトンボの種類が多いため、古くからトンボ王国と言われてきました。この記事では、アカトンボの代表と言われるアキアカネに焦点を当てて、生涯の概要をまとめています。

赤トンボとはどんなトンボなの?

近年では、ほとんど見られませんが、子供の頃は、秋になると赤とんぼが群で飛ぶのは、当たり前でした。

アカトンボと呼ばれるトンボは20種類もいます。理由は、体色が橙色から赤色のトンボの総称だからです。

アカトンボの代表的なものはアキアカネと言われています。

アキアカネは、秋になると、山や高原から麓(ふもと)におりてきて群れで飛びまわります。子どもの頃は、ちょっとした空き地があれば、赤色のトンボが群れで飛んでいました。このトンボは、大抵アキアカネです。

アキアカネは九州から北海道まで分布しているトンボで、1年で一生を終えます。次に、アキアカネの生涯を紹介します。

アキアカネの一生

アキアカネの卵は、川や湖、沼などで産み付けられます。春(3月-4月)になると、孵化(ふか)して、幼虫時代は、孵化した場所で、ヤゴになって水中で過ごします。

アキアカネのヤゴはミジンコ、ボウフラなどの小動物を食べて成長します。初夏(5月-6月)に、ヤゴから脱皮して羽化すると、トンボ(成虫)になります。この時は、オスもメスも黄色です。

アキアカネは、トンボになると、暑さを避けるために、直ぐに標高の高い山地や高原に移動します。体長は、4㎝程です。尚、移動は群れで飛びます。

アキアカネは、暑さに弱いため、30℃以上では生きられません。近年の暑い気候では、大変でしょう。

そのため、涼しい山や高原で過ごして、大人のトンボになります(8月-9月)。

この時、オスの体色はオレンジ色ですが、成長とともに徐々に赤色(あかね色)に変化していきます。メスの場合は、羽化したての黄色から変化しないものが多いと言われています。

なお、オスの体色が赤くなる理由は、メスへのアピールとも言われています。但し、本当の理由は、解明されていません。

高原や山などで過ごしたアキアカネは、秋(10月)になって、平地が涼しくなると、平地に移動して、群れで生活します。

このころの体色は完全に赤色です。そして、交尾後に尾で水面をたたくようにして、湖水や池などに産卵します。成虫は、12月上旬頃までに生涯を終えます。

産まれた卵は、寒い冬の期間(12月-2月)は、水中や泥の中で過ごします。

アキアカネの食べ物や、休憩姿勢

アキアカネの食べ物や天敵は、普通のトンボと同様です。但し、翅(ハネ)を休める仕草には、特徴があります。

アキアカネの食べ物と天敵

アキアカネは、蚊、スズメバチを含むハチ類、コガネムシ等を捕まえて食べています。
天敵は、カエル、ザリガニ、魚や、鳥等です。

アキアカネの休憩姿勢

トンボは、何かにとまって、翅(ハネ)を休める時の姿が種類によって、異なります。

そのため、翅の休止状態は違います。

一般的なトンボの休憩は、翅を水平や、垂直にして休息します。

アキアカネは、周りに注意しながら、翅を水平から少しずつ下に下げて休憩する特徴があります。

まとめ

何故か、郷愁を呼び起こさせるアカトンボは、トンボの種類ではなく、赤系色のトンボの呼称です。その中でも、アカトンボの代表と呼ばれているアキアカネの生涯を紹介してきました。

ただし、アキアカネも体色が赤くなるのは、オスだけで、メスは赤くなりません。

まだ、アキアカネの体色が変化する理由も解明されていないようですが、昔からトンボ王国とも言われるほど種類が多い日本です。

きっと研究も進むでしょう。

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