人間と昆虫などの節足動物は共通の祖先から進化した可能性大

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昆虫は、地球上で最も多い生物です。昆虫の祖先と、人間の祖先は共通だった可能性が出てきました。内容は、東京大学の研究チームが行った結果がサイエンスの2017年に掲載された内容の抜粋です。この記事では、出来るだけ分かりやすく紹介しています。

人間と昆虫などの節足動物は共通の祖先から進化したらしい

東京大学分子細胞研究所が行った調査で、脊椎動物と節足動物は共通の祖先から進化したらしいことが分かってきました。

同細胞研究所のキイロショウジョウバエを用いた昆虫の触覚神経回路の構造解明で、脊椎動物と節足動物は共通の祖先から進化。(サイエンスの2017年11月3日号に発表)

どのようにして分かったの?

人間と昆虫などの節足動物が共通の祖先から進化したらしいことは、過去の研究で確認されていました。そして、今回の新規に判明した内容を合わせることで、分かったようです。

以前の研究で分かっていたこと

脊椎動物と節足動物では、過去の研究で、次のようなことが分かっていました。

  1. 視覚・嗅覚・味覚の神経回路の構造は、脊椎動物と節足動物では似通っている。
  2. 昆虫(節足動物)と哺乳類(脊椎動物)では、音や重力を感じる中枢構造もほぼ同じことも判明(同研究チームが2009年のネイチャー誌に発表)。

今回の研究で判明したこと

キイロショウジョウバエによる触覚神経回路の構造解明で、脊椎動物と節足動物は共通の祖先から進化したらしいと確認された。

従来の確認と、今回の研究結果で、五感を備えた脳を持つ生物が、先カンブリア紀(凡そ6億年前)に存在していたことが判った。

つまり、哺乳類を含む脊椎動物と昆虫を含む節足動物の祖先は同じ生物だったということです。(そうだとすると人間と昆虫の祖先は同じだった可能性があります)

東京大学研究チームが行った実験の成果

  • 昆虫の触覚を検知する抹消神経から脳の中枢神経系に至る神経回路を体系的に解明できた。
  • 感覚神経系の特定の1種類だけの神経活動を抽出して、その神経だけの機能の操作をできるようにした。これは、哺乳類の実験では不可能だった。
  • 昆虫の神経回路の構造は、哺乳類と類似性が高いことが判かった。このことから昆虫と哺乳類の脳の構造はほぼ同じであることがわかり、共通の祖先がいた可能性が高まった。

尚、節足動物と脊椎動物は、カンブリア紀の前には、分離していました。

これらの研究成果から、昆虫と哺乳類は共通の祖先から分岐した可能性が高いという結果が研究チームから、もたらされました。

まとめ

2017年度のノーベル医学生理学賞は、体内時計の分子メカニズムの発見でした。しかし、この仕組みはショウジョウバエの研究で発見されてから後に、哺乳類でも同じものだということが分かっています。

今回の東大の研究チームが発見した、哺乳類と昆虫の類似性は、別の研究を進める可能性があります。

それは、哺乳類で判っていない事柄の解明です。

キイロショウジョウバエの研究では、感覚神経系の特定の神経活動を選出して、その神経の機能の操作をできるようにしています。

この研究は、哺乳類の実験では不可能な神経回路構造の解明が出来ることを意味しています。

この研究成果を踏まえて、さらなる研究の進展に期待が膨らみます。

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