アリを食べて生活している恐ろしいヒメサスライアリとは?

怖い顔 アリ
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ヒメサスライアリは、アリを襲って食べつくしてしまいます。襲われたアリの巣は、壊滅してしまいます。熱帯雨林地域のアリは、種が多すぎるため、アリの多様性維持には必要です。記事では、そんなヒメサスライアリについて紹介しています。

アリを食べる恐ろしいアリ

アリの中でも有名で人気があるのはグンタイアリです。このグンタイアリの仲間の中でも、とても恐ろしいアリがヒメサスライアリと言われています。

3つのグンタイアリの分類

グンタイアリには、3種います。一つ目は、南米にいるグンタイアリ亜科です。二つ目は、アフリカや東南アジアの熱帯域にいるサスライアリ亜科です。そして、三種目はヒメサスライアリ亜科です。(注.亜科という分類は、科に含まれていて、一つ下の単位に相当します)

グンタイアリは、3亜科ともに放浪性で、集団で狩りをするアリです。中でも、ヒメサスライアリ亜科は、名前からは想像できない程、凶暴(きょうぼう)なアリです。

ヒメサスライアリは、他のアリを襲って食べてしまうからです。

ヒメサスライアリの特徴と巣の襲撃方法

ヒメサスライアリは東南アジアに50種程います。ヒメサスライアリは、種ごとにそれぞれ捕食するアリが決まっています。(好みの味があるようです)

ヒメサスライアリは、3mm-5mm程度の小さなアリです。ところが、アリを襲撃する時は、集団で一斉に巣の中になだれ込み、中にいるアリを毒針で刺し殺します。

襲撃された巣に棲んでいるアリは、ほぼ全滅してしまいます。

何とか巣穴から逃れてきたアリは、幼虫をくわえて逃げまどいますが、右往左往するだけでどうすることも出来ません。

ヒメサスライアリは襲撃が終ると、巣から幼虫や蛹(さなぎ)を持ち帰って自分たちの食料にしてしまいます。

ヒメサスライアリの存在意義

ヒメサスライアリに襲われた巣は、大抵全滅してしまいますが、直ぐに別のアリがやってきて暮らし始めます。ヒメサスライアリは、自分の巣を持たないで放浪するアリです。そして、襲った巣を、そのまま放置してしまうからで。

ヒメサスライアリの役目

熱帯雨林地域でのアリは、多様性に富んでいて、数100m四方の範囲に500種も生息していることもあります。(ちなみに日本にいるアリは国土全体でも、300種に満たないそうです)

こんなに沢山のアリが狭い範囲にいるため、他の生物の生態系に与える影響は大きいでしょう。

ヒメサスライアリが巣を襲って、そこにいるアリを全滅させると、別のアリが来て営巣し始めます。つまり、ヒメサスライアリは、特定のアリだけが繁栄することを阻止して、アリ達の多様性を維持しているとも言えます。

アリの多様性を維持することは、他の生き物たちの生態系を保つことに繋がります。そう考えると、ヒメサスライアリの存在は、生態系のバランスに無くてはならないものなのでしょう。

まとめ

東南アジアには、他のアリの巣を襲って、巣を壊滅させ、幼虫や蛹(さなぎ)を持ち帰って食料にしてしまう恐ろしいアリがいます。ヒメサスライアリです。

ただし、熱帯雨林地域のアリは、数100m四方に500種も生息しています。熱帯雨林地域のアリは、数が多すぎるのです。

そのため、アリの巣を壊滅させるヒメサスライアリの存在は、アリ達の多様性を維持するために必要なものと考えられています。

尚、ヒメサスライアリは、アリの中の頂点に君臨する恐ろしい捕食者ですが、ヒメサスライアリにも苦手にしているアリがいます。それは、ハキリアリです。

この関係については別の機会に紹介します。尚、今回紹介したヒメサスライアリは、日本の西表島にもいるそうです。

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