私は、昆虫などの生き物に関するニュースには、かなり敏感です。これは、数年前のニュースですが、気になるため、リライトして紹介しています。地球が蝕まれたのは、人間のせいでしょう。但し、人類の柔らかい頭脳にも期待しています。
飛行昆虫が27年間で1/4に減少
ドイツとオランダの大学の研究者たちによる、27年間に亘るドイツ自然保護区にいる飛行昆虫の生息数調査結果が発表されました。
その結果は、研究者たちも驚かせるものでした。
なんと、生物の多様性を保存する場所にも関わらず、27年間で75%も飛行昆虫が減っていたのです。飛行昆虫の減少は、農薬などの影響を受けない場所の昆虫が激減していました。
昆虫は、鳥や小動物の重要なタンパク源ですし、植物の受粉にも重要な役目を担っています。
研究者たちは、昆虫の激減は、生物たちの食物網に連鎖的な影響を及ぼすため、生態系を危険にさらすと危惧(きぐ)しています。
シドニー大学のターニャ・ラッティー博士は、人間はもっと昆虫の重要性を認識することが必要だと述べています。
このニュースをみた時、地球は急速にむしばまれてきているという印象を強く持ちました。
これが今の地球の現実ですね。
このようなぞっとするようなニュースだけでは、気分が滅入るので、少し明るいニュースも紹介します。
昆虫の大きさのロボットが水中からの飛び出しに成功
これは、米国のハーバード大学が行っている、水中を泳ぎ、水中から飛び立つことのできるロボットの開発です。大きさは昆虫程で、重さは0.1gしかありません。
このロボットは、従来から研究されてきました。ロボットは軽量です。軽いため表面張力に邪魔されて水中から飛び立つことができないという課題がありました。
今回の研究成果は、この課題を克服したという内容です。
表面張力を打ち破った方法
表面張力は1gですが、ロボットの自重の10倍に相当します。表面張力は、研究者から見ると壁のように立ちはだかっていました。
これを克服するために、次のような新しい方法を導入して成功しました。
① ロボットの胴体には箱があります。箱の中には電気板が入っていて箱に水を入れると、酸水素ガス(水素と酸素の混合気体)を作り出すことができます。
② 酸水素ガスは浮力が大きいため、ロボットの羽を水面上に出せます。次に電気板でスパークを飛ばして酸水素ガスを爆発させ、ロボットを飛翔させるのです。
今回の研究成果は何が大変だったのと言ってしまいそうな内容に見えます。でも、実際には水陸で活動できるロボット昆虫を実現するのは、大変な難題の克服が必要でした。
水中を泳ぎまわるには水の抵抗を少なくする構造が必要で、空中を飛び回るには、大きな翼が必要です。
では、どうすれば良いのか?
この研究では、ツノメドリという海鳥を参考にして、矛盾した命題に挑んでいました。このように、生物の機構を参考にした新科学技術(バイオミメティックス)は、様々な所で研究開発されています。
そういう意味でも生物たちが数を減らすのは困ります。
まとめ
昆虫の数量の減少は、様々な報告があります。昆虫だけではありません。おそらく、地球は、むしばまれてしまったのでしょう。
但し、人間には技術力があります。さまざまな生物の機構を使ったバイオミメティックスも研究されています。いつの日か、失われた生物を復活させてくれるかもしれません。
人間には、地球を蝕ばませたという後悔もあります。人間の柔らかい頭脳に期待しましょう。