寒い時期に庭に出てきた実はフユサンゴという素敵な名前の木でした。でも数年後には途絶えてしまいました。どんな植物なのか判りましたが、どのようにして我が家や実家にきてくれたのかは不明です。ちょっと不思議なフユサンゴについて紹介しています。
鮮やかなオレンジ色の実をつける低木
もう随分前ですが、庭にあるシャラの木の根本付近から出てきた小さな木に、鮮やかなオレンジ色の実がなりました。誰も植えていない木です。野鳥が運んできたようです。
この実は、夏ごろは緑色でしたが、いつの間にかオレンジ色に変わりました。そして、真冬には、鮮やかなオレンジ色になって、輝きました。(数年前の冬です)
木の特徴
背丈は30㎝ぐらいの低木です。厚めで濃い緑の葉っぱの周囲は、やや細長くてギザギザしています。この木に成るビー玉のように丸い実は、つやつやした鮮やかなオレンジ色に輝いています。
毎年、真冬の頃に、いつの間にか枯れて、夏の初めごろに芽を出していましたが、数年間同じことを繰り返した後、いつの間にか姿を消してしまいました。
ところが、実家の庭の隅にも同じ木の実が出ていました。この木も、自然に生えてきました。我が家と実家は、100km程の距離があります。
羨ましいことに、実家の片隅に生えてきた木は、毎年少しずつ規模を拡大しています(横に広がってきたように感じます)。実家にはえて来た木の実は、真冬にも枯れません。何とか、我が家に持って行って育ててみたいのですが、枯れてしまうのではないかと心配です。
木の実の名前がわかれば、育てる方法も判るはずです。調べると、冬珊瑚(フユサンゴ)という名前でした。
何と、素敵な名前でしょう。
フユサンゴとは?
フユサンゴは、ナス科の常緑低木で、ブラジルが原産です。日本には明治時代に入ってきたようです。
夏期に花を咲かせた後、鮮やかな緑色の実をつけ、黄色に変わり、その後で鮮やかなオレンジ色になります。冬場に鮮やかな赤に近いオレンジ色になるため、観賞用に用いられています。
但し、この鮮やかな実には毒があります。(木全体に、ソラニンという有毒成分があるため、食べると中毒になると言われています。)
毒があるのなら、私が想像していたような、鳥の糞で種が運ばれたというのは間違いかもしれません。私の家の庭にはえてきたものも、自家にあるものも、突然生えてきたものです。不思議ですね。
フユサンゴの育て方
ナス科の植物のため、水を好みますが、根腐れするので長期間ジメジメの状態は馴染めません。
月に1回程、化成肥料も必要です。
また、植え替えは好まないので、春に種を蒔くのが良いそうです。
気を付けなければならないのは、連作障害(れんさくしょうがい)を起こすため、3年もすると枯れてしまいます。家の庭にあったものも、3年程で消失してしまいました。
確かに、実家で毎年育つフユサンゴは、少しずつ横に広がっています。(少しづつ場所を変えながらタネで増えているようです)
《連作障害(れんさくしょうがい)とは?》
トマトやナスなどが、毎年同じ場所で栽培すると、上手く育たないことを指しています。土壌にいる微生物のバランスの問題です。
良いバランス状態なら、栽培する野菜は育ちますが、翌年にはバランスがくずれてしまうようです。
連作障害を防ぐには、毎年土壌を変えることです。但し、フユサンゴは植え替えで弱ってしまうため、できるだけ根の周りの土はふり落とさないようにして植え替えることが大切です。
どうやら、我が家の庭に出てきた、フユサンゴは、シャラの木の3つの根に囲まれた場所が災いだったようです。毎年同じ場所から芽吹くために、連作障害を起こしてしまったのでしょう。
フユサンゴは鉢植えにして、毎年土を入れ替えることで長く楽しむことができると言われています。植え替えのストレスを受けやすい植物のため、最初は、種から栽培する方が良いでしょう。
フユサンゴの楽しみ方
■冬珊瑚(フユサンゴ)は、見た目だけでなく名称も素晴らしい実でした。
■フユサンゴは、同じ場所では育ちにくいため種から栽培して、鉢植えで毎年土を変える必要があります。
■フユサンゴの実には、毒が含まれていて食べると中毒をおこします。鑑賞用としてお楽しみ下さい。
まとめ
寒くなると、あざやかなオレンジ色に輝く実はフユサンゴという名前でした。フユサンゴには毒があって、食べられないと言われています。
でも、鳥が運んできたのでなければ一体どうやって、庭にやって来てくれたのでしょう。
不思議です。
ひょっとしたら、運んできてくれた鳥には毒素が働かないのかも?