不死身のようなネムリユスリカの幼虫

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アフリカの風景

アフリカのナイジェリアにある乾燥地帯には、とても過酷な条件でも不死鳥のように生き返る、ネムリユスリカの幼虫がいます。記事では、ネムリユスリカの幼虫が生命活動を停止させて、乾燥状態で長期間過ごせる理由をわかり易く紹介しています。

乾燥地帯のネムリユスリカの幼虫

アフリカのナイジェリアの乾燥地帯には、とても過酷な条件でも不死鳥のように生きるネムリユスリカの幼虫がいます。

ネムリユスリカの幼虫は、乾燥状態で眠り続けて、17年後に蘇ったというちょっと信じられないような報告もあります。これは、記録されています。

このネムリユスリカの幼虫は、考えられないような高温や低温などでも耐えられます。とても不思議なネムリユスリカを調べてみました。

ネムリユスリカとは?

ユスリカは、世界で15,000種もいると言われているハエ目のユスリカ科です。ネムリユスリカは、ユスリカ科に属している昆虫です。

乾燥状態の幼虫は、まるで不死身のような振舞をしますが、一般的な幼虫は、2週間半〜3週間で成虫になります。成虫の寿命は短くて、1日から長くても1週間以内には死んでしまいます。

日本で生息するユスリカは、魚釣りの餌に使う幼虫のアカムシや、川の周辺で、群れで飛ぶ成虫の、かばしらです。このかばしらの幼虫は、ネムリユスリカのような特殊な能力は持っていません。

世界中のユスリカの中でもネムリユスリカだけが、不死身のような能力を持っていると言われています。

ネムリユスリカの特殊な能力

ネムリユスリカは、大きな岩や岩山のある、ナイジェリアの乾燥地帯にすんでいます。そして、岩のくぼみなどの水たまりに、ボウフラとして生活しています。

ネムリユスリカは、常に乾燥という驚異と戦っていますが、幼虫の特殊な能力は、想像を超えてしまう程です。

ネムリユスリカの幼虫は、乾燥に強いだけではなく、高温や低温、アルコール浸漬、さらに、ガンマ線などにも耐えられます。

生命活動機能を停止する能力とは?

ネムリユスリカは、乾期が近づくと体内にトレハロースを作って溜め込みます。トレハロースは、微生物や動植物などにある天然糖質です。トレハロースは、たんぱく質の安定化や、保湿性能、細胞構造の保存などの機能を持っています。

トレハロースを体内に大量に溜め込んだ、ネムリユスリカの幼虫は、乾燥してミイラのように見えても、細胞は生きています。その為、雨が降って水を吸い込めば20分程で元の状態に復活することが出来ます。

《ネムリユスリカの特殊能力》

  • 103℃で、1分間煮沸しても水分補給で復活します。
  • -190℃で77時間凍結しても水分補給で復活します。
  • アルコール漬け1週間しても水分補給で復活します。
  • 人の耐えられるガンマ線量の700倍もの照射でも、水分補給で復活します。

まとめ

ネムリユスリカの幼虫は、泥のすみかの中で生命活動を停止させて、乾燥状態で長期間過ごすことのできる特殊な能力があります。

ネムリユスリカの幼虫が、特殊な能力を持っているのは、トレハロースを体内に大量に作って保持しているからです。

トレハロースは、「たんぱく質の安定化」、「保湿性能」、「細胞構造の保存」などの性質があります。

ネムリユスリカの幼虫は、乾燥に強く、高低温、アルコール浸漬、さらに耐ガンマ線などにも強いため、不死身と言われています。

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