女王アリがいない不思議なアミメアリの社会

飴に群がるアリ アリ
飴に群がるアリ

アミメアリは、どこにでもいる普通のアリです。でも、女王アリもいない不思議なアリの社会を作っていました。アミメアリには、僅かですが、オスアリもいますが、存在意義は、確認されていません。人間社会の男女の役割りについても考えさせられました。

アミメアリの特殊性

アミメアリには、普通のアリの社会にいるような女王アリはいません。そのため、若いメスの働きアリが、個別に産卵して繁殖(単為生殖)します。

オスのアリは少しだけ存在しますが、何のために存在するのか、さえ分かっていないと言われています。

また、通常のアリ社会では、働きアリや大型の働きアリ(兵隊アリ)などがいて、役割分担を明確化しています。ところが、アミメアリには、そのような分担(分業)はありません。

アミメアリは、全員が働きアリで、全員で出産するアリです。

このアミメアリの特殊性を一言で言えば、次のようになります。

  1. 女王アリがいない
  2. オスのアリを必要としていない(単性生殖)
  3. 権力構造が存在しない社会

という特徴を持ったアリです。

これは種類の多いアリの中でも極めて特殊な性質で、1万数千種のアリの中でも2種のみが持っている特徴と言われています。

普通のアリ社会

普通のアリには、1つの巣(コロニー)に1匹の女王アリがいます。

アリの繁殖期は、年に1回あって、翅をつけたオスアリと新しい女王アリが巣を飛び立ちます。その後でオスのアリは死んでしまいます。新女王アリは、翅を落として1匹で巣作りと産卵、育児を行うようになり、新しく作ったコロニーを成長させていきます。

このように、たった1匹の女王アリがコロニーを成長させます(単女王単巣性)。

一般的なアリの社会は女王アリを中心にして、働きアリや兵隊アリ等がいて、各々しっかりとした役割分担がされています。これが普通のアリの社会です。

もちろん、アリの種類によっては複数の女王アリがいる場合もあります。近年、話題になっている、ヒアリも1つの巣に複数の女王アリがいる種類(多女王多種性)です。

普通のアリ社会は、以上のように女王アリを中心にして作られています。アミメアリは、日本に広く分布しているアリです。アミメアリは、アリ社会の中では、とんでもなく特殊なアリということが分かるでしょう。

アミメアリとはどんなアリなの?

体長は3mm程で茶褐色をした小さなアリです。東南アジアから東アジアにもいますが、日本全国に広く分布しています。

アミメアリはハチ目、アリ科のフタフシアリ亜科に分類されるアリで、学名はPritomyrmex punctatusです。

野山や人家の近くの朽木、石の下などに集団で生活していて、特別決まった巣を持っていません。

アミメアリがいる石等を裏返すと、卵や幼虫などといっしょに、多くのアミメアリがいて右往左往する様子を見ることができます。

アミメアリは、甘いものに群がる性質があって、餌を求めて集団で移動します。アミメアリが、庭などで行列を作って移動する姿は頻繁に見られるでしょう。

砂糖や飴などの甘いものを部屋の中にこぼして放置した時に侵入してくるのは、大抵アミメアリです。

日本ではポピュラーなアリですが、たいてい女性には嫌われています。

アミメアリの特殊性から学ぶオスの存在意義

アミメアリは、オスなしで自分自身で子供を生んで子孫を反映させることができます。地球上で最初に栄えた生物は、メスだけだったと言われています。

これでは、同一遺伝子が引き継がれて、同じ性質を持ったアリばかりが誕生します。そのため、変化する地球環境では生き続けることが難しいとも言われます。

そこに登場したのがオスです。

一般的な生き物は、オスという性質の異なる遺伝子と混ぜ合わさって、多様な個体が出現すると考えられています。例えば高温に強いとか、逆に低温に強いとか、粘り強い性格とか、直ぐにあきらめる等の性格などが子孫に引き継がれることです。

このように多様性を獲得することで、生活環境が変化しても、その環境にマッチしたものがいれば生き残れるのです。

オスの存在意義は、こうして産まれたのかもしれません。

アミメアリにも僅かなオスがいます。メスだけで出産できるからです。但し、いざという時の為に、オスは必要なのかもしれません。メスにとっては、オスはいなくても良いのでしょう。但し、何か特別な環境変化が生じた場合に必要になる保険のような存在なのかもしれません。

まとめ

アミメアリは、集団で行動するアリの社会を持っていますが、女王アリを頂点とした明確な役割分担をしていません。そのため、戦闘を専門で行う、体の大きな戦闘アリもいません。

アミメアリには、エサを採るアリや子育てをする専門のアリもいません。皆で、全ての仕事を分担して働きます。

人間の世界ではオスは威張っていますが、広く生物界を見ると、オスという存在は、中心ではなかったようです。

オスの存在意義なんてことを考えさせられるのも嫌です。

人間社会は、もっと複雑です。

きっと、オスの存在意義なんてことは議論にもならないでしょう。でも、人間の男も威張ってばかりでは、存在そのものが薄れてしまうでしょうね。

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