スズメバチの危険信号と刺された時の応急処置

オオスズメバチ スズメバチ
オオスズメバチ

日本では、スズメバチによる死者が毎年のように発生しています。スズメバチはとても危険な野生生物という認識をもつことが大切です。記事では、スズメバチの出す危険信号の内容と、万一刺されてしまった時の処置の仕方などを分かりやすく紹介しています。

スズメバチは日本で最も危険な野生生物

日本にいる危険な陸生動物は、北海道のヒグマや沖縄のハブ、そしてスズメバチです。特に、スズメバチの被害者は、最も多くて、年間30-40名もいます。また、死者まで発生していることから、日本では最も危険な野生生物と言われています。

アナフィラキシー・ショック

スズメバチの被害は、刺されることによる、激痛や、腫れ、アナフィラキシー・ショックと呼ばれるアレルギー症状です。

一度、ハチに刺された人は、その毒に対して抗体を作ります。抗体は、体内に細菌やウィルスが侵入すると、それらを認識して体からの除去を図ります。つまり、アナフィラキシー・ショックは、免疫細胞が反応して体を防御するシステムです。

ところが、再びハチに刺されると、体質によっては既に作られた抗体との間で、過剰な反応が起こることがあります。そして、吐き気や、血圧の低下、呼吸困難などを引き起こしてしまい、最悪の場合は死に至ります。

これが、アナフィラキシー・ショックという強いアレルギー反応です。

アナフィラキシー・ショックは、スズメバチだけでなく、アシナガバチやミツバチによっても起きることがあります。

スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチに共通しているのは、集団で社会生活を営むハチということです。

スズメバチの毒

スズメバチの毒は、たんぱく質系の成分で、赤血球を破壊し、神経を麻痺させる強力なものです。

スズメバチの危険信号

スズメバチは、相手を威嚇する時に、カチカチという警戒音を出します(数メートル離れていてもハッキリ聞こえます)。

このような音をたてながら、人の周囲を飛ぶときは、集団で攻撃する前触れと言われています。巣が近くにある可能性があります。急いで、その場所から離れて下さい。

以前、実家の庭木にあるスズメバチの巣を窓から殺虫剤を噴霧して退治したことがあります。その時、巣に戻ってきた1匹のスズメバチの怖さは、今でも覚えています。

スズメバチは1匹でしたが、カチカチ音を立てて私の方を睨みつけ、閉められた窓ガラスをめがけて突っ込んできました。スズメバチは直ぐにどこかに飛んで行ってしまいましたが、怒ったスズメバチの迫力に、体中が震えました。

スズメバチに刺された時の応急処置

スズメバチに刺された時は、ともかくその場所から離れることが重要です。スズメバチが分泌したフェロモンによって仲間のハチが誘導されてくることもあるからです。

そして、刺された傷口から毒をしぼり出して、水やお茶などで洗い流してください。スズメバチの毒は水溶性のため、水などで洗い流すことは効果大です。

その後で、抗ヒスタミン剤の軟膏を塗って、冷やすと良いでしょう。

もちろん、痛みや腫れ以外の症状(めまい・吐き気・じんましん等)がでたら直ちに病院に行ってください。

まとめ

日本にいる危険な3大生物は、ヒグマ、ハブ、スズメバチです。特に、スズメバチの被害者は最も多くて、死者まで発生しています。

スズメバチの被害で怖いのは、アナフィラキシー・ショックです。アナフィラキシー・ショックは、スズメバチだけでなく、集団で社会生活を営む、アシナガバチやミツバチによっても起きることがあります。

単独で生活しているアナバチ科やベッコウバチ科のハチは、集団で人を襲うことはありませんし、大人しいので、こちらから攻撃しなければ安全です。

攻撃的なハチは、黒いものをめがけて襲いかかる習性があります。山に行く時などは、黒い帽子は避けた方が良いでしょう。

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