植物の光呼吸とは?

葉っぱ 花・野草
葉っぱ

植物は、通常の呼吸とは別に、光呼吸と呼ばれる呼吸をしています。光呼吸とは、耳慣れない言葉で難しそうです。この記事では、光呼吸の発生原因等を通して、なぜ植物が光呼吸をするようになったのかを、分かりやすく紹介しています。

植物の呼吸

植物も動物と同じように呼吸をしています。酸素を体に取り込みます。レンコンの根を輪切りにすると、穴がありますが、この穴の中には空気(酸素)を溜め込む仕組みがあります。

レンコンは、この仕組みのおかげで酸素呼吸が可能になって、水の中の地下茎も生きていけると言われています。

このように植物も呼吸をしています。但し、植物には、もう一つ光呼吸というものがあります。

光呼吸は、強い光を受けた時の適応のために必要です。

光呼吸とはどのような呼吸なの?

植物の光呼吸も、酸素を吸収して二酸化炭素を吐き出しています。ちょっと見ただけでは、普通の呼吸と同じようなものに思えますが、普通の呼吸とは違います。

通常の呼吸は、生きていくために必要なエネルギーを取り出すことです。これに対して、植物の光呼吸は、エネルギーの取り出しには使われていません。

植物が光呼吸をする理由

植物は、光合成をするために強い太陽光線を受けています。太陽光線は光合成で使われますが、光合成に必要な二酸化炭素が不足しているため、光のエネルギーは余ってしまいます。

余った光のエネルギーは、酸素と反応して活性酸素を生じます。

活性酸素は化学反応を起こしやすいため、人の体ではガンや老化の原因などを引き起こす悪い物質です。同様に、活性酸素は、植物にも有害です。

そのため、植物は光合成の時に、余分なエネルギーが発生しないように光呼吸をしてエネルギーを消費しようとします。これが、光呼吸をする理由です。

一見すると、光呼吸はエネルギーの無駄遣いのように見えます。でも、強い太陽光線を受けて光合成をする植物にとっては、有害な活性酸素を発生しにくくするための重要な手法です。

まとめ

植物には、普通の呼吸の他に、光呼吸と呼ばれる呼吸があります。

通常の呼吸は、生きていくために必要なエネルギーを取り出す働きをしていますが、光呼吸には違う目的があります。

光呼吸は、通常の呼吸のようにエネルギーを取り出すためではなく、余分なエネルギーを消費するためのものです。

光呼吸には、光合成の時に生じる余分なエネルギーの発生を抑える効果があります。光呼吸は、有害な活性酸素を生まれにくくする大切な役目をしていたのです。

なお、光合成の時に余分なエネルギーが発生する理由は、光合成で必要な二酸化炭素が不足しているからです。

葉っぱには、二酸化炭素も必要でしたが、日光が照りつける昼間の植物には、二酸化炭素が十分に供給できていなかったのです。

植物の葉っぱが二酸化炭素を吸収しにくい理由は、大気中の二酸化炭素の量が想像以上に少ないためと言われています。現在、空気中に含まれている二酸化炭素は、0.04%ぐらいです。

しかし、工業化が進む前の1750年に比べると、45%も二酸化炭素量は増加しています。
これは、二酸化炭素の放出量が多い人々の暮らし方のためです。

近年では、二酸化炭素は、地球の温暖化を招いて問題になっていますが、植物にとっては、現在よりももっと多くの二酸化炭素を含んだ大気の方が良いのかもしれません。

また、二酸化炭素は、地球の温暖化では悪者扱いですが、動物の呼吸でも重要な役目をしていることが分かってきています。動物の呼吸では、二酸化炭素が体のペーハー値を中性に保つために働きます。

植物や動物の命は、微妙なバランスの上で形成された、奇跡的に産まれたものなのですね。

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