鳥類にさまざまな羽色がある理由

佐渡のトキ
佐渡のトキ

鳥類の羽色は、カラフルです。全身真っ白なハクチョウや真っ黒なカラスもいます。鳥の羽色の違いは、天敵からのカモフラージュや、子孫繁栄などでしょう。記事では、羽色が、他の生物に与える影響調査の実験や、面白い言い伝えなどを紹介しています。

鳥類にさまざまな羽色がある理由

鳥類には、さまざまな羽色があります。鳥の羽色は、何らかの働きをしていると考えられています。

食うか食われるかの自然界では天敵には目立たないような色の方が都合が良いかもしれません。但し、子孫繁栄という点では、同種の鳥には目立つ方が良いでしょう。

ハクチョウ等の白い羽は、雪や氷に埋もれて天敵から見つけにくいため、極寒の地域で繁殖するのに都合が良いと言われています。

さらに、白色の羽は、同種の仲間の認識にも役立っているものと考えられます。

鳥類の様々な羽色は、天敵から身を守る保護色の役目や、子孫繁栄のため、同種の鳥へのアピールという意味合いもあるのでしょう。

鳥の羽色が他の生物に与える影響

鳥の羽色が他の生物に影響するかを確認するために、38種の鳥の肉を使った面白い調査結果があります。

調査は、スズメ蜂に鳥の肉を食べさせることで行っています。肉食のスズメ蜂は、腰のくびれがあるために、固形物は食べられません。

そのため、鳥の肉をかみ砕いてジュース状にして飲み込みます。

この実験はスズメ蜂が飲み込む肉ジュースの量が、鳥の羽色によって差があるのかを調べたものです。

スズメ蜂による摂食実験結果

スズメ蜂は、色鮮やかなカワセミのような鳥や、カラスのように羽色が真っ黒な鳥の肉は、敬遠して食べませんでした。

このように、色鮮やかな鳥や黒色の鳥は、羽色で、肉の味は「まずい」と主張しているのかもしれません。特に、オウチュウという羽色の黒い鳥の仲間の肉は不味くて、猫でも食べないようです。

全身黒色に覆われているカラスの肉は、本当に「まずい」そうです。特に、アフリカのシロエリオオハシガラスの肉は、苦くて毒があるとさえ言われて敬遠されています。

カラスの羽色が黒いのは、不味いぞと主張しているのかもしれません。

それだけではありません。カラスの羽色が黒い理由を、多くの人が気にしていて、「カラスの羽色にまつわる昔話」もあります。

カラスとフクロウの昔話

『染物屋のフクロウは、鳥たちの注文に応じて羽色を染めていました。

フクロウは、カラスに、一番美しい色に染めて欲しいと頼まれたため、様々な色を試して染めてみました。その過程でカラスの羽色は真っ黒くなってしまいました。
カラスは怒りましたが、後の祭りです。直すことはできません。』

そのため、今でもカラスはフクロウを見つけると追いかけまわすのだそうです。逆にフクロウはカラスが活動する昼間はひっそりと身を隠していて、夜になってから活動をすると言われています。

実際には、フクロウはカラスの天敵です。フクロウがカラスの雛を襲うことがあるからです。
カラスの黒色は、暗闇で目立たないための保護色だと言われています。

まとめ

鳥類のさまざまな羽色は、何らかの働きをしているものと考えられています。

  • 自然界では天敵には目立たないような色の方が都合が良い。
  • 但し、同種の鳥には、子孫繁栄などのため、目立つ方が良い。
  • 白い羽や黒羽は、周囲の環境しだいで見え方は異なる(埋もれて見にくくなることや、逆に、特別目立つこともある)
  • 独特な色で、「不味い肉」ということや「毒が有る」などをPRしている

以上は、人間が想像したことですが、色々な羽の色は、それぞれ意味のある色なのでしょう。

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