人が植物に触れると植物は大きく生長すると考えていましたが間違いでした。植物に触れると茎は太くて立派に成長しますが、伸びなくなります。理由は、植物から成長抑制のホルモンがでるからです。記事では、盆栽の作り方などを交えて分かりやすく紹介します。
盆栽は不思議
盆栽は小さな植木鉢に小さな松の木などが植えられています。小さな木ですが、幹は太くて、まるで大木に見えます。これが盆栽の魅力ですが、では盆栽は何故大きく成長しないのでしょうか?
これは以前から疑問でした。
盆栽の育て方などを調べましたが、何となく判ったような気もしますが、どこかで納得できません。そんな時、植物は触れられると幹などは立派に育っても、伸びることをやめてしまうという性質があることを知りました。
ひょっとしたら、盆栽と関係があるのではないか?
そう思って、調べてみました。
まず、盆栽はどうやって栽培しているのでしょうか?
盆栽の作り方
盆栽の作り方は、葉刈りをすることがポイントです。
葉刈りをすると、樹の養分は一時的に減少してしまいます。養分が減ると、新芽の葉の大きさは小さくなって光合成で作る養分も少なくなって、次に出る新芽も、小さくなります。
では、木の大きさに比べて太い幹や根は、どうしてできるのでしょうか?
盆栽の生産地での栽培方法
盆栽の生産地では、出来るだけ早く立派な根に育つように養分の豊富な畑で栽培しています。この畑に苗木を植えたら大きく成長してしまうでしょう。でも盆栽にする苗木の地中に伸びた根は、5年に1回の頻度で切っていました。
これなら太くて短い根ができるでしょう。
そして、もう一つのポイントは、2年目の苗木には針金を巻いて、大木のような曲がりを作ることです。
このような手法で栽培していましたが、盆栽として育つまでには30年もかかるそうです。
何故、植物は触られると伸びないの?
植物学者の説明では、植物に触れると茎は太く立派になるが、殆ど伸びなくなるのだそうです。(トウモロコシの実験では、2回/1日、30秒間、葉に触れると、触れない苗に比べて伸長が抑制されます。)
植物は、毎日話しかけることや、触れることで大きく生長すると勘違いしていました。
このため、植物は、触れられると、生長が抑えられます。
まとめ
植物は、触れると生長を抑制される性質がありました。理由は、植物に何かが触れると成長を抑制する植物ホルモン(エチレン)を出すためです。
最近テレビで次のようなことを言っていました。植物が虫などに食べられると、周囲の植物に何らかの物質を放出して、危険を知らせます。このような情報が伝えられると、植物は、天敵の虫が付近にいると思い込みます。
つまり、人が植物に触れると、何かが近くにいると感じるため、生長するのを止めると、かんがえ。
盆栽では、植物の性質を利用するだけでなく、根を切ることや、枝を曲げるために針金を巻き付けるなどの手間を掛けていました。
盆栽として育てるには、これ程の手間と、30年もの月日を要します。何事も一朝一夕にはいきませんね。