サバクアリというサハラ砂漠に生息するアリは、普通サイズのアリです。このアリは、100メートルも離れている道標のない場所を認識して、最短距離を進むことができます。研究者の推測では、高度の記憶力や演算能力が必要ですが、その方法を紹介しています。
サバクアリがすんでいる厳しい環境
北アフリカのサハラ砂漠は、世界最大の砂漠です。気候は高温で乾燥しています。その為、日が照りつける日中には出歩けない環境です。
サバクアリは、そんな砂漠に棲んでいます。サバクアリは、死んだ昆虫等を探すため、暑い日中に100mぐらい離れた場所まで行って巣に戻ってきます。
砂漠は、砂が波のように重なっていて、風で常に変化しています。また、アリが道標(みちしるべ)で付けた匂いも高温では揮発してしまいます。
つまり、サバクでは、道を間違えたら、直ぐに死を招きます。
そんな環境にすんでいるサバクアリの方向認識は、どうなっているのでしょうか?
サバクアリはどうやって目的地を見つけているの?
高温で、乾燥している砂漠では、道を間違えたら大変です。小さなアリには、砂漠の砂は、波のようにうねうねしています。とても遠くまで見通すことはできないでしょう。
しかも、風が吹くと砂山の形は変化してしまいます。
アリのエサ探しは、あっちこっちをふらふらしながら探します。しかし、巣に戻る時には、最短ルートで戻らなければなりません。砂漠のような環境では、命にかかわるからです。
最短ルートと言っても、小さなアリには全体を見渡すことなんてできません。
では、どのようにして戻るルートを見つけているのでしょうか?
サバクアリの最短ルートの見つけ方
これにつては、以前に投稿した下記記事を参照下さい。
この記事では、巣に戻る方法を、「太陽コンパス(偏光パターン)+体内時計による補正+経路積算能力」で説明しています。
経路積算能力とは
尚、経路積算能力とは、歩いた方向(角度)と距離を計算して、現在位置を求める方法です。
この方法では、記憶力と演算力が必要です。小さなアリの脳で、そんなことが可能なのかは不明です。
但し、サバクアリには、足の長さを変えて実験した結果があります。この実験結果から、歩数で距離を認識しているのは、間違いないことが分かっています。
研究者は、サバクアリが行っている方法は、簡易的な近似計算(手法)によるものと推定しています。
まとめ
サバクアリは、道標のない砂漠で、100メートルも離れた場所から最短距離で巣に戻ることができます。
研究者の推測
研究者は、次のように推測しています。
サバクアリは、「太陽コンパス(偏光パターン)+体内時計による補正+経路積算能力」で目的地を把握。
但し、経路積算能力が行っている「歩数と曲がった方向を演算して距離を求める」という、具体的な方法は、発見されていません。