好蟻性生物のコオロギが危険なアリの巣の中で暮らす理由

獲物に群がるアリ 好蟻性生物
獲物に群がるアリ

アリの巣の中で暮らす、好犠牲生物は沢山いますが、集団で生活するアリは、肉食で、とても危険です。なぜ、そんな危険をおかして、アリのコロニーの中で生活するのでしょう。この記事では、シロオビアリヅカコオロギという好犠牲生物の例を紹介しています。

好蟻性生物のコオロギが危険なアリの巣の中で暮らす理由

アリは集団で組織的に暮らすだけでなく、多くは肉食です。そのため、アリは、他の昆虫たちから、とても怖れられています。

ただし、アリに気づかれずにアリの巣の中で暮らすことができたら、楽に生活できます。

外敵の襲撃は無くなります。その上、アリが貯蔵したエサも豊富にあって、エサの調達も必要なくなるからです。

これが、好犠牲生物が危険なアリの巣の中で暮らす理由でしょう。

アリの巣の中で生活する好蟻性生物(こうぎせいせいぶつ)は、思っている以上に多く存在します。

そんな生物の、シロオビアリヅカコオロギについて紹介します。

シロオビアリヅカコオロギとは?

シロオビアリヅカコオロギは、沖縄県よりも南の南西諸島付近に生息する、とても小さなコオロギです。大きさは、2.5mm~2.8mm程で、胴体に1本の薄茶色の帯をまいているような姿をしています。とても俊敏に動き回るため、ゴキブリの子供と勘違いしてしまう人は多いでしょう。

アリの巣の中で暮らすシロオビアリヅカコオロギの生活

シロオビアリヅカコオロギは、この地域に生息するアシナガキアリというアリの巣に侵入して同居しています。

シロオビアリヅカコオロギは、ハネが退化して飛ぶこともできません。多分、自分で獲物を捕獲することができないため、エサが豊富にあるアリの巣で生活しているのでしょう。

シロオビアリヅカコオロギは、アシナガキアリの巣内で、卵を運ぶ等をしながら、アリから口移しでエサをもらってくらしています。

ところが、隙をみつけて、アリの卵などを食べてしまう、ずる賢いコオロギです。

そんな酷いことをするシロオビアリヅカコオロギの存在を、何故アシナガキアリは気が付かないのでしょうか。

何故アリはコオロギに気が付かないの?

アリは、暗い所で生活するため、目は殆ど退化しています。そのため、匂いで敵味方を区別しています。

シロオビアリヅカコオロギは、アリの巣に侵入した直後には、働きアリから攻撃されます。そして、直ぐに特殊なセンサーでアリを察知してアリの攻撃をかわします。

動きの素早いシロオビアリヅカコオロギは、アリの背後に回り込んでアリの体をなめることで、アリの匂いを口内に溜め込みます。

その後、アリの匂いを前脚に付着させ、体中に塗り付けます。このような行動を数日間繰り返すとコオロギの体の匂いはアリと同じになります。
すると、目が退化したアリは、コオロギを仲間のアリと勘違いするようになってしまいます。

アリを察知するコオロギのセンサーとは?

コオロギのセンサーは、おしりにあります。直線のアンテナのような、おしりのセンサーは、左右に1本ずつあります。
アンテナには、細かい産毛のような、感覚毛が生えていて、空気の僅かな振動をキャッチすることができます。これが、アリの動きを素早く察知する、コオロギのセンサーです。

まとめ

アリは、他の昆虫から怖れられていますが、アリに気づかれずにアリの巣の中で暮らすことができれば、外敵の襲撃は無くなります。しかも、アリが貯蔵したエサも豊富にあるため楽に生活できます。

好犠牲生物は考えている以上に沢山いますが、集団で生活するアリは肉食で、とても危険な生き物です。

紹介したシロオビアリヅカコオロギは、一見すると、アリを騙してアリの卵なども食べてしまう、ずるい生き物です。ところが、常に危険と隣り合わせの生活をしています。

時々、昆虫の世界は気軽でいいなと考えることもありますが、よく見ると、一触即発の危険な世界です。

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