タケノコは、すごい勢いで生長します。この記事では、タケノコがどのような方法で短時間に生長しているのか、また、素早く生長しなければならない理由を紹介しています。きっと、竹林とタケノコのことを身近に感じられでしょう。
タケノコの成長は早い
タケノコはとても早く伸びます。誰でも驚かされたことはあるでしょう。観察した結果では、1日で120㎝も伸びた記録があります。
草木やツルなどでも早い生長にびっくりすることがありますが、タケノコ程ではありません。タケノコは、何故、そんなに早く伸びることが出来るのでしょう。
植物の生長を促すもの
植物が生長して伸びるのは、細胞がどんどん分裂するからです。細胞分裂を盛んにするのは、生長点という部分です。
樹木の生長点は茎の先端にあります。
生長して伸びるのは、生長点だけです。そのため、樹木は、ゆっくりと何年もかかって伸びていきます。
タケノコの生長が早い理由
タケノコにも、樹木と同じように茎の先端に生長点はあります。タケノコが樹木と違うのは、多くの節があることです。
タケノコのそれぞれの節の上部には、生長帯という分裂組織があります。
タケノコは、節の上部の生長帯で、細胞分裂を盛んに行います。
タケノコは、節の上部にある成長帯で細胞分裂をしていて、節と節の間が伸びることで成長します。しかも、タケノコの節は、60個ほどもあります。
タケノコは、普通の樹木よりも60倍も早く生長できるのです。
しかし、勢いよく生長するには、十分な栄養も必要です。
タケノコの栄養確保は?
昔は、地震が来たら竹林に逃げ込めと言われました。
タケノコの根は隣接する竹同士で繋がっているため、地盤が強固だと言われていたからです。
このように竹林は、地下茎でつながっています。
タケノコの栄養分は、この地下茎を通じて供給されます。そのため、タケノコは、勢いよく生長することができるのでしょう。
また、タケノコが地面から生えてくる時には、既に太くなっていて、多くの節もあります。
タケノコが生長する時には、柔らかい状態です。これでは、天敵などから食べられてしまう危険があります。
でも、生長するためには、体を柔らかくせざるを得なかったのでしょう。
タケノコは、地上に伸びる前に、地下部分で十分な準備をしてから出てきます。
そして、タケノコが、地上に出て来る時には、地下茎から供給される栄養を伸びることだけに使っています。
まとめ
タケノコが驚異的なスピードで伸びる理由は、次のようなものです。
- タケノコには、樹木に比べて、生長のための細胞分裂をする個所が60倍もありました。そのため、樹木の60倍の速度で成長することが出来ます。
- タケノコは、地下茎で竹同士がつながっています。そのため、地下茎から、栄養が必要な所に集中的に供給できます。
- 地上に出てくると天敵に食べられる危険があるため、地下部分で準備してから地上に出てくきます。地上に出ると伸びることだけに栄養を使って、短時間で生長します。
以上のような理由で、タケノコは素早く生長することが出来たのでしょう。しかし、タケノコは、何故それ程早く生長しなければならなかったのでしょうか?
タケノコを食べる天敵から、柔らかいタケノコを守るために、素早く生長する必要があったのは間違いないでしょう。
もう一つの理由は、次のようなものです。
それは、光合成をするためです。
「早く大人の竹と同じくらいの高さに生長して、日光の当たる場所まで、伸びる必要があった。」
竹にとって竹林は、地下茎でつながった一つの生命体なのかもしれません。きっと、1本だけでは生きていけないのでしょう。